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    オルト

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    タイカケ
    ムッツリスケベのタ

    リズム良く、曲を奏でるよう動いていたカズオの指がピタリと止まった。
    「んっ、んー!」
     変な声を出しながら大きく伸びをすると、どこかからボキボキと音が鳴った。ずっとおんなじ姿勢をしていたから、かなり凝っているのだろう。筋肉が凝り固まるのは絶対に良くない。あんな状態でレッスンしたら、痛めてしまうかもしれない。
    「なぁ、カズオ。もう仕事終わったのか?」
    「うん! さ、レッスン行こう!」
     くるりと椅子ごと回って、ベッドに座っている俺を見るカズオの表情は、どこか疲れている。
    「そんなんで練習したら、怪我すっぞ」
    「え?」
     立ち上がってカズオの手を掴み、引っ張ってベッドに寝転がす。驚いた顔をしていたカズオだったけど、俺が「うつ伏せ」と言ったら素直に従った。
    「な、なに?」
    「マッサージしてやるよ」
     言いながら背中をそっと撫でると、カズオは「へぁ?!」とへんな声を上げた。俺は構わずカズオの背中を擦ってから、上から順に揉んでいく。
    「え、ちょ、なんで? 嬉しいけど……」
    「そんなガチガチの状態で練習したら、筋肉痛める。ちゃんと解してから」
     カズオは納得したのか「おねがいしまーす」と言って大人しくなった。ゆっくり揉んでみるが、固くて心配になる。まぁ、野球とかじゃねーから普段肩に気を遣わないのもわかるけど。
    「でもタイガきゅん、マッサージなんてちゃんとできるの?」
    「まぁ。よくじーちゃんやばーちゃんにしてたし、雑誌でも筋肉の解し方見た。ナントカ筋がここにあるから、って読んだ」
    「え! 適当過ぎて怖いんだけど?!」
     そう言って起き上がろうとするカズオを抑えこんで、マッサージを続ける。筋肉の名前とか理屈は忘れたど、図ははっきり覚えてんだ。間違いない。
    「あーでも、気持ちい。上手だね」
     柔らかい声でカズオがそう言った瞬間、カッと身体が熱くなった。なんだ今のセリフ。エロい。
     俺は邪念を祓いながらマッサージを続けるけど、カズオはそんな俺の気も知らずに、「あ……」とか「ん……」とか声を出す。そんなつもりはないんだろうけど……。
    「ホント、気持ちぃ~」
    「ん……」
     最悪だ。カズオの全身に正当な理由で触れるのは最高だけど、最悪だ。
    「ありがとね、タイガ。タイガって、なんだかんだホントおれっちに優しいよね」
    「おう……」
     カズオはいつも、俺のことを純情だなんだって言うけど、実際そうでもない。だって、今だってこうしてやましい気持ち抱きながら、カズオに触れてる。素肌に触れたいと思ってる。バレたくない。カズオの想い描く「理想のタイガきゅん」を、今はまだ守りたい。
    「終わった練習な」
    「うんっ」
     あぁ、出来ればこのままもっと触っていたいけど、ボロが出る前にさっさと練習に行かないと。
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