Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    オルト

    どうしようもないものを投下

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 178

    オルト

    ☆quiet follow

    800文字
    成人済み22世紀蕎麦屋タイカケ
    付き合ってる

    「カケル、なぁ、いいだろ……?」
    「だ、ダメだって……」
    「なんで……? 俺のこと、好きじゃなくなった?」
     泣きそうな顔で迫ってくるタイガくん。俺は首を横に振る。好きじゃなくなるなんてこと、絶対ないよ。好きすぎて困ってるくらいなんだから。
    「じゃあ、なんでダメなんだよ」
     タイガくんは、俺のシャツのボタンに手を掛けながら言う。俺は慌ててタイガくんの手首を掴んで、動きを止めようとするが、力が強くて叶わない。あの頃のタイガくんとは違う事を、改めて感じさせられる。
    「ねぇお願い、待ってタイガくん」
    「待てねぇ」
    「いい子だから、ね?」
    「子供扱いすんな。おめぇが、エロいのが悪いんだからな!」
     そんな無茶苦茶な……。タイガは顔を真っ赤にして、今にも泣き出しそうだ。幼いころに、おねしょが俺にバレた時の事を思い出す。泣きながら干された布団の前に立って、違うんだと必死に訴えていた姿は可愛かった。
     そんなタイガくんが、大人になって、俺の事を……。
    「ねぇ、わかった、場所を変えよう? ほら、家の中にシンちゅわんもお父さんもお母さんもいるし……ね?」
    「声、我慢すればいいじゃん」
    「ん、う~ん!」
     確かに、それは一理ある。部屋に鍵をかけて、声を押し殺せばいい。でも、そんなの俺もタイガくんも無理なのだ。タイガくんが必死に俺の名前を呼んでくれるのは可愛いんだけど、些か声がデカい。俺も、なんだかわかんなくなってくると、声をこらえられなくなる。だから、ダメだ。
    「カケルっ!」
    「わ!」
     タイガは思いきり俺を抱きしめると俺の頭に手を添えて、自分の肩口に俺の口を押し付けた。
    「声漏れそうになったら、俺のこと噛んでいいから、な?」
     いやいや、噛みつくのはタイガくんでしょ! いつも俺のことガブガブと……。そう思いつつも、吐息交じりでいつもよりも低い声を耳元で出されたら、俺はもうダメだった。
    「しょうがないなぁ……。ホントに、タイガくんも声出しちゃダメだよ?」
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    🇪🇱🇴💕💕💕👏👏☺☺💖💖💖🙏🙏🙏🙏🙏🙏💕💕❤👏👏💖💖
    Let's send reactions!
    Replies from the creator