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    723文字
    リュカケ……です……(発作)

    「カケル、決まった?」
    「う、うん! これにする!」
     バーガー屋の前。メニューを見ていたカケルが、顔を上げて俺の方を見た。その目は子供みたいで可愛らしい。カケルの指さす先を見ると、そこには子供向けのセット。
    「これでいいの? 足りる?」
    「僕、こういうのに憧れてて……だからこれでいいんだ!」
     おもちゃつきのそのセットを欲しがるカケルは、本当に子供みたいだ。普段は高校生とは思えない程大人っぽいし、俺よりもずっと大変な仕事をしているのに、ふとした時に年齢よりも幼い姿を見せる。ホント、一緒に居て飽きないし目が離せないんだよなぁ。
    「リュウガくんは?」
    「俺はこっちのセット。めっちゃ腹減ってるし」
    「わぁ、これも美味しそうだね」
     期間限定の肉たっぷりのバーガー。それを見てカケルは、また目を輝かせた。
    「だったら、そのセットにこのバーガーもつけようぜ」
    「えぇ! 食べ過ぎじゃないかな?」
    「単品でバーガーの追加なんて余裕だろ!」
    「う、ん。なんか、こういうファストフードって食べ過ぎたらいけないって子供の頃から言われてて……」
    「あー」
     あるよなぁ、そういう家。ファストフードとか知育菓子は身体に悪い! って言って食べさせてもらえなかった同級生がいたのを思い出した。
    「大丈夫! 子供のことからめっちゃ食ってるけど、俺、健康でしょ?」
     そう言って笑って見せると、カケルは安心したような表情になって頷いた。
    「リュウガくんがそう言うなら、これも注文しちゃう!」
    「そうそう! まだまだ成長期なんだから、しっかり食えよ~」
     頭をぐりぐり撫でると、カケルは「縮んじゃう~」と言って笑った。これからまだ身長が伸びるであろうカケルが羨ましい。と思うのと同時のこれ以上大人にならないで欲しいと思う自分がいた。
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    オルト

    TRAINING成人タイカケ。
    おじさん組と無自覚両片想い。
    「それでさぁ~、タイガきゅんがさぁ」
     顔を真っ赤にしたカケルが、日本酒をちびちび飲みながら声を上げる。
    「うんうん、それで?」
    「こんどね、おれっちの出張の前に、どこか遊びに行こ~って、いってくれたのぉ!」
     締まりのない顔で言うカケルに、ミナトが「良かったなぁ」と声を掛けると、カケルは「いいでしょ~」と言って笑った。その隙に、ユキノジョウはカケルの手元から徳利を遠ざけ、自分の手元のものと入れ替えた。
    「だからねぇ、おれっちもう楽しみで楽しみで……」
     カケルはそのまま徳利からおちょこに中身を注ぎ、またちびちび飲み始めた。カケルは気付いていない。徳利が入れ替わったことも、その中身が水であることも。今日はいつもに比べて格段に飲むペースが速く、先程からユキノジョウもミナトもカケルの様子に気を配っている。だいぶ酔っているようで、タイガに遊びに行こうと誘われた話を何度もしている。話を聞かされている二人は、その度に初めて聞いたように反応していた。
    「これ、デートって思ってももいいのかにゃぁ?」
    「あぁ、デートだろう」
    「そうそう、香賀美は照れ屋だから、そう言わないだろうけどね」
    「えへへえぇ。 1563