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    atou_ss

    @atou_SS

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    猫になったディーン。また気が向いたら続き上げたい。

    猫と一緒いつも狩りが終わって自由を手に入れると兄は夜にインパラを飛ばして出かけ、1時間以内で行けるバーを選んで酒と美女を求めに行く。
    サムも最初はっというのは、兄弟としてありえない話なのはわかっているが、二人の間に恋人の関係ができて間もない頃は行くな!と強く兄を止めることをしたが、昔の様にワンナイトを求めるものではなく、酒と美女との会話をただ楽しんでいるだけな事がわかり今は渋々了解している。
    サムとしてはディーンとの狩りの無い平和な時間は貴重だと思っているから本当は側にいてほしい。どこの誰かと話すより自分とと思ってしまうのはあるけど、結局四六時中一緒なのだから互いに自由な時間は必要なんだと自分自身を納得させた。加えて、ディーンが少し顔を赤くしながら「お前としかもうしねぇーから安心しろ」の言葉に絆されたのだ。
    今の関係を兄が望んでくれている、それは大きくサムに安心感を与えてくれた。

    そんな夜に繰り出した次の日の朝は起きてくる時間が遅くなる。
    案の定、時計の針は既に11時半を指している。
    もう昼だ。

    これは流石に何かを食べさせなくてはとディーンの部屋に向かう。
    バンカーのディーンの部屋の戸は軽く開いていた。

    「ディーン、そろそろ…」

    中に入ると脱ぎ散らかした上着やジーンズが転々と転がりベッドに続いている。
    だが、ベッドにディーンの姿はなかった。
    さっき風呂場の前を通って水音なんて聞こえなかったし。トイレだろうか?と考えているとくしゃくしゃなシーツの中で何かが動いていることがわかった。

    じっとサムはシーツを睨みながらそっとシーンを掴みバサッとどかしてみた。
    白いシーツとベットの合間には長くピントした耳に触り心地が良さそうなダークブラウンな短い毛並みが息をするごとに動く体で明るいブロンドにも見える、そして長く伸びたしっぽが体を取り巻く様にくるんとひっついていた。

    「なんで、猫?」

    兄のベットの中にディーンではなく猫がいた。
    全く分けがわからなくて猫を見つめていると、小さく1、2度ぴくぴくと体がはねると猫の目がゆっくり開き目の前のサムを見つけて

    「おはよーサミー」

    と言ったのだ。
    猫が。




    目の前にはどう見ても猫がいる。
    目はヘイゼルグリーンで光によって色を少しずつ変えている。
    サムと猫は向かい合いながら地図の広がるほとんどテーブルの様に使っている台の上に猫、その脇の椅子にサムが腰をおろし見つめ合っていた。


    「……本当に兄貴なの?」

    「だから言ってんじゃねぇーか!?」

    噛みつかれるのではと思うほどの勢いで口を開けて吠えると「何回もいってんだろ!?」っと繰り返す。

    「あーー!」と唸りディーンがよくする様に頭の後ろを掻こうとしているのだろうけど前足では上手く届かずそれもイライラしているようだ。
    終いには前足でテーブルを叩くが猫の足では爪がカツカツいうだけだ。

    その仕草を見て、ああこれは本当に兄なのだとなんとなく理解し始めたサムはまっすぐ猫であるディーンを見つめる。
    よく見ると足の付け根におそろいのタトゥーがありサムの理解が確かな証拠で確定し兄だと言うことを認めた。

    「じゃ兄貴。なんでこうなったのかわかってるのか?」

    体がうまくコントロールできないところから、苛立ちに移行したディーンは、今まさに両足でテーブルに足を叩きつけようとしていた仕草で固まりサムをみた。

    両足をストンと落とすとサムにベットの脇に落ちてたジャケットを持ってくるように言った。
    いいから早く取ってこい!っと偉そうに言う猫のディーンに急かされジャケットを取ってくると
    テーブルに置く。
    そのジャケットのポケットに顔と手を突っ込みゴソゴソしていたディーンが顔を出すと口に、銀のアルミのようなピンクの包装フィルムに2ヶ所くるっと丸めて口を閉められた小さなキャンディが咥えられていた。

    「これだ」

    出したキャンディを足先でサムの方に転がす。

    「これ食べて猫になったってこと?」

    そうにしか見えないだろ?っと目で睨まれる。今猫になってる本人がなんで偉そうなのかと思うが、中身がディーンなのだからこのふてぶてしさは彼らしいのだが、では、このキャンディはどこ
    から?っとディーンを見るとスッと目線をそらされる。

    何かあった。

    ディーンの態度がそう言っている。


    「ディーン」
    「俺は不可抗力だ。」

    なんの答えにもなってない。

    「じぁ、このまま何もせずにそのままの姿でいいんだね?その姿じゃ、僕が動かないと兄貴はそのままだよな」

    それに腹を立てたディーンがキッと睨んでくるがかわいいだけにしかならない。
    しばらくうーうー唸っていたがぺたっとテーブルにくっつくと「だから、俺は悪くねぇ」とこぼし昨夜の出来事を話し始めた。

    要訳すると
    「昨日バーで飲んでたら美女に話しかけられて帰り際渡されたキャンディを食べたら猫になったと。それとその美女は魔女だったってことでオーケイ?」

    テーブルにうっつぶしている姿でそーだよ!っとイライラしながら答えてくる。

    「なんで兄貴ってそう警戒心がないんだよ…」

    「酔ってるところで話しかけられてそんな素振り全く無かったんだからしかたねぇだろ!?
    まぁ、最後にあなたならきれいな毛並みになりそうって言われたのは気になったが…」

    「はぁ……」

    サムのため息に怒りで猫のようにシャーっと呻くディーンはやはり怖くないし、やっぱりかわいい。

    兄の言葉を一応そのまま信じるとして、この魔女からの呪いをどう説いたらいいのか肝心の魔女を探し出して解かせるか、やれることを1つずつやらなくては。

    まず、最初になんとかしてくれそうな頼れる天使に連絡をかけた。



    「はぁーい、ディーン、サム」

    昔の様にモーテルではないため扉をくぐって現れたよれた淡いベーシックのコートに少し曲がってこっちもよれてるネクタイな今最初にたよれる仲間カスティエルが来た。

    先程から定位置になっているテーブルの上で体全体で待ってたとばかりに飛び跳ね「早くなんとかしてくれ!」と訴えている猫のディーンはさながら大好きな主人が帰ってきた猫のようで少しイラッときたサムは飛び跳ねるディーンの体に手を置くと少し力を入れてそれをやめさせた。

    手をどかせとぎゃぁぎゃぁ言うディーンを置いて事の説明を終えるとディーンの前に立ったカスティエルはディーンの、猫のディーンの頭に手を起き何かを探るような顔を見せて暫くしていたが、手を離してサムに顔を向ける。

    「済まない…今回のこれは私が直せるものではないらしい。だが強い呪いではないから確証はないがある程度の時間で元には戻るはずだ」

    *

    曖昧で済まないと謝るカスティエルに全ては兄であるディーンのせいなのだし、直せないまでも時機に戻ることはこの天使が言う事だ信用していい。
    サムはそんなことはないよ、とても助かったとカスティエルに伝えると少しの口元を上げてそれに答えてくれた。

    仲間と合流する予定があるがそれまで時間があるから魔女の行方を少し探ってみると言ってくれて
    サムと、猫であるディーンをみてさっていった。


    ディーンはカスティエルによって治してもらえることをかなり期待していたのだろう、今はテーブルの上でぐでんとたれている。
    その脇の椅子に腰掛けてだれたディーンを見つめる。

    カスティエルの時期に戻るはどのくらいの時間で戻るのかがはっきりしていない。
    1日か、1週間か、もしかしたら何ヶ月も時間がかかるかもしれない。
    そこがはっきりしないのはかなり不安がある。

    目はだれて前足を前に出し、耳が若干たれて顔をテーブルに押し付けているディーンをみる。
    しっぽも元気なさげに先だけ揺れている。

    毛並みはやっぱり短いのに触り心地はいい、頭から背中に向かって指の腹でなであげると滑らかに毛が手に馴染み温かい体温も一緒に伝えてくる。

    「おい」

    眉間のあたりを親指の平で撫で背を撫でながら首あたりを指で撫でる。

    「ちょっ、ふぅっ、さむ!」
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