それから数日後。なんと、俺に好機がやってくる。数日ほど出張に行くアイツの代わりに、俺が浅羽悠真の髄液の採取を行うことになったのだ。あれを告げられた時は嬉しくてつい小さくガッツポーズをしてしまった。
まあ、それはそうとして。今俺はそのために悠真の病室(正確に言えば病室ではないが)に向かっていた。スライド式の清潔そうな白いドアを開ければ、中にはやっぱり俺のお気に入りの浅羽悠真がいた。すると悠真はすぐに振り向き、
「あ!今日は遅かったね、ししょ.........」
と言って、俺の顔を見上げると、いつものアイツではなく俺であることに気づいてか見るからにがっかりしたような顔をした。俺はずっと接点はなかったにしろ君のことが好きだったのにそんな様子の彼に少しだけイライラしたが、。俺は腐っても大人なのだ。平静を保ちにっこり笑って話しかける。
1135