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    sky0echo

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    sky0echo

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    書きかけを全て放り投げて新しいものを書いてしまうのは、悪癖だなと思います()
    前に書いてた曦澄の双聶
    冒頭部分

    現代AU 双聶「しばらくの間、泊めてくれない?」

     可愛らしく小首を傾げて見せたその姿は、そこらの女子と遜色ない、と言っても過言ではない程少女めいていて、なるほど、思春期真っ盛りの男子学生であればワンチャンス何かを期待してしまいそうなほどであった。

     かくいう江澄も男子学生には違いないのだが、そんな気が起きないのは、まず第一に江澄には付き合い始めたばかりの恋人がいて目の前の相手には全くそんな気持ちが湧き上がらない、ということ。
     第二に、相手が江澄にとって数少ない友人の一人であること。
     そして最後に、目の前でかわい子ぶった彼が猫の皮を被った猛獣である、という事実を知っていること。

    「それで、一体何をやらかしたんだ?」

     面倒そうな気配を感じつつも、追い出す、という選択肢を持たなかった江澄は、とりあえず家の中へと招き入れながら、そう尋ねた。
     大きなキャリーケースと旅行鞄。それから通学時に使っているリュックと、一体どれだけ居座るつもりなんだ、という程の大荷物姿の同級生。聶懐桑。
     彼は、えへへ、といった様子で困ったように笑った後、口を尖らせる。

    「だって、大哥が……」

     やはり、兄絡みか……、と内心溜息をつきながら、江澄はよろけそうになっている懐桑の荷物を持ってやる。
     また兄弟喧嘩したのだろう。
     懐桑が兄弟喧嘩するのは初めてではなく、その度に昼休憩や放課後、彼の愚痴に付き合わされてきたのだ。
     帰りたくないと駄々を捏ねる懐桑を家に泊めたのも一度や二度ではない。

     しかし、これだけの大荷物でやってきた、ということは、今までとは少し様子が違うようだ。
     長期戦を覚悟しなければならないな、と江澄は今度は声にだして溜息をついたのだった。
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    sky0echo

    PROGRESSpixivにあげている曦澄
    空蝉の続き
    多分pixivにあげられるのはまだまだ先
    推敲中なので、直すとこかいっぱいあると思うけど
    とりあえずモチベをあげたいので、応援してほしい()
    泥濘に微睡む② かつて訪ねた不浄世は、良く言えば質実剛健、明け透けに言ってしまえば飾り気がなく質素、無骨な印象を持った屋敷だった。しかし、今はどうだろう。美しく繊細な色合いの花瓶がそこかしこに飾られて、季節折々の花が生けられている。調度品も茶器も決して華美ではないが、一目見て品の良さが分かる逸品揃いだ。
     雅事に造形の深い聶懐桑が宗主となってから、不浄世は少しずつその姿を変えているように思えた。かと思えば、時折以前のような無骨な姿を現す一面もあるからにして、きっと彼は兄の面影を残しつつ、この地を美しく彩っているのだろう。兄が愛した土地を、弟もまた愛しているに違いない。
     清河の地で開催された清談会。姑蘇藍氏宗主として、此度の清談会に藍曦臣は参加した。ここ数年、閉関していた藍曦臣は清談会を叔父の藍啓仁に任せることが多かったのだが、閉関を解いた今、いつまでも叔父に甘えるわけにはいかないだろうと、今回は自身が参加することにした。供をつけようか、と案じる叔父の言葉を断ったことに深い意味があるわけではなかったが、だが、供がいてはあまり自由に彼を訪ねられないかもしれない、という私情があったことは否定できない。
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    PROGRESS続長編曦澄11
    これからの恋はあなたと二人で
     寒室を訪れるのは久しぶりだった。
     江澄は藍曦臣と向かい合って座った。卓子には西瓜がある。
     薄紅の立葵が、庭で揺れている。
    「御用をおうかがいしましょう」
     藍曦臣の声は硬かった。西瓜に手をつける素振りもない。
     江澄は腹に力を入れた。そうしなければ声が出そうになかった。
    「魏無羨から伝言があると聞いたんだが」
    「ええ」
    「実は聞いていない」
    「何故でしょう」
    「教えてもらえなかった」
     藍曦臣は予想していたかのように頷き、苦笑した。
    「そうでしたか」
    「驚かないのか」
    「保証はしないと言われていましたからね。当人同士で話し合え、ということでしょう」
     江澄は心中で魏無羨を呪った。初めからそう言えばいいではないか。
     とはいえ、魏無羨に言われたところで素直に従ったかどうかは別である。
    「それだけですか?」
    「いや……」
     江澄は西瓜に視線を移した。赤い。果汁が滴っている。
    「その、あなたに謝らなければならない」
    「その必要はないと思いますが」
    「聞いてほしい。俺はあなたを欺いた」
     はっきりと藍曦臣の顔が強張った。笑顔が消えた。
     江澄は膝の上で拳を握りしめた。
    「あなたに、気持ち 1617