「ブレ、米粒ついてるぞ」
「いつの間に?」
トワがおれの股間についていた米粒を舐めとった。食べているうちに落ちてしまったのだろうか。
「やっぱおにぎりは海苔が一番だよなぁ」
そう言って新しいおにぎりをほおばるトワを何となく眺めていてふとこの状況に気がついた。何故おれは英傑服一枚なんだ。どういうわけかズボンも下着もなく、普段英傑服の下に着ている長袖もない。いつこの格好になったか全く思い出せない。これは米粒が股間に落ちるはずだ…と、おれは深く考えることをやめた。
トワがおにぎりを食べ終わり、おれをじっと見つめてくる。コイツ下まつ毛長いな。顔がいいんだよなコイツ。
「何だよトワ?」
トワの視線がおれの股間へと落ちる。なるほど、米粒を舐めとっただけじゃ物足りなかったんだな。
「そういうこと?」
「…そーいうこと」
少し躊躇いがちに、いたずらを考えていたのがバレた子どものような茶目っ気のある顔をして、トワがおれの股の間にするりと手を差し込んできた。
「食べていいか?」
米粒じゃ足りなかったみたいだ。ニヤ、と笑う表情は、もうすでにその気じゃないか。
「食べていいけど、完食してよね?」
「もちろん」
「食べこぼしもやだよ?」
「へいへい」
トワの手が股の間からその奥へと伸ばされる。どうせなら前も触ってからにしてくれたらいいのに。
そんなおれの思いを察したのか、トワに優しく握られた。ついさっきおにぎりを握ってた手で、今度はおれのを握っている。「海苔いる?」と茶化したら「アホか」と先端をクイと押された。てっきり海苔を巻いたら食わなきゃいけねえよな、とか返してくると思ったのに。変なところで冗談通じないんだから。
しばらく握ったり動かしたりされたせいで、おれはすっかりトワが欲しくなってしまっている。早く、と急かすと奥へと指を滑らされた。入り口を指でいじるばかりでなかなか奥へといれてくれない。早くトワが食べたくて待ってるんだから、さっさと入れてよね。口を開けて待ってるんだから。
我慢できなくなったから、トワの手を無理矢理取って、ぐいと指を奥まで突っ込ませた。そんなに欲しかったのかよ?とトワが笑っている。欲しかったんだよ。わかってるならこんなことさせないでよね。おれだってこんなことするの恥ずかしいんだから。