休日 午前指定の荷物を待っていた。
オーブンに食パンを2枚入れて時間を設定する。焼けても起きて来なかったら起こしに行こう。そう決めて他人の家の冷蔵庫を開け、食材を見繕う。
他人の家といってもここは留三郎の部屋で、友人のような喧嘩仲間のような間柄だったがつい数ヶ月前に恋人という肩書きも加わった。
今日は恋人となって初めて留三郎の部屋に泊まったわけだが、その夜過ごせた時間は短かった。
「悪い、残業だわ。先何か食っといてくれ」
と連絡が来たのが彼の定時。それから数時間遅れた帰宅時には疲れ切っているようだった。
了解を得て風呂を沸かしておいたのが良かったのか、風呂から上がった留三郎は切れ長の目をさらに細くして眠気を抑えきれないようだった。
3283