Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    じろんぬ

    @ngt_ryu

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 5

    じろんぬ

    ☆quiet follow

    どんな文章か忘れた結果、途中から何故かバトルが始まり方向性が迷子になったのでバッサリ切って供養

    #ルシサン
    lucisan

    ルシフェルはカナンの神殿で【その時】を待っていた。繭の前を右往左往し、時折立ち止まっては表面をナデナデし、明らかに落ち着きがなかった。何故なら、彼のおそらく二千年越しの悲願が叶うかもしれなかったのだ。

     思い返せばだいたい二千年ほど前、新たな天司の製造をルシファーに任された時のことである。その日もルシフェルは繭の前でソワソワとその時を待っていた。
    「入るぞルシフェル」
     ノックもなく扉を開け放ったルシファーは、返事を待つこともなくツカツカとこちらへやって来ようとする。
    「待ってくれ友よ……!」
    「待たん。俺の計算ではもう間もなく……む?」
     やがて羽が解けるように開き、中から蝶が羽化するように彼が生まれた。流石は友、計算通りだ……とルシフェルが感心していたその時である。
    「……パパ?」
     目覚めたサンダルフォンの第一声はそれであった。そしてそれは、心待ちにしていたルシフェルにではなく、目の前に立っていたルシファーへと向けられていた。
    「何だこれは」
     不愉快を顔に貼り付け、ルシファーは裾を握って離さないサンダルフォンを見下ろす。恐れていた事態が起こっている。
    「鳥の雛は最初に見た相手を親だと認識するという。その習性に興味があったのだ」
    「想定外の運用方法を勝手に植え付けるんじゃない。さっさと元に戻せ」
     元に戻すことに異論はなかったので、その時はサンダルフォンの認識を初期化したのである。
     だがしかし、ルシフェルはまだほんの少し、いやとても未練があった。
     サンダルフォンに、「パパ」と呼ばれてみたかったのである……!

     ルシフェルは空の世界の進化を見守る内に「家族」というものに憧れを抱いていた。自分を造ったルシファーを「父」と呼ぼうとしたが、嫌悪感も露わな顔をされてしまったので「友」と呼ぶことに落ち着いたこともあった。
     星晶獣は製造者を親と呼ぶことはない。造り上げた際の設定が全てである。例え髪の色や外見が違っても、兄弟だと設定すれば兄弟になるのだ。
     ただサンダルフォンにそう設定すれば生まれる前からルシフェルは父となることが出来ただろう。しかし、それは何か違うような気がした。その感情が何かをルシフェルは上手く形容することができなかった。

     ルシファーがいない今、誰にも邪魔されずかつての願いを叶えることができる。わざわざ誰も来れない島へと移り、二人きりで彼の再誕を待っていたのである。
     割愛するがカナンで大変な事態に陥りパパと呼ばれることは結局なかったが、後にサンダルフォンと色んな意味で親密になったルシフェルは、「パパという役割に限らなくて良かった」と語ったとか何とか。

    おしまい
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    😊😊😊😊😊👍❤👏👏👏💒👍😊🙏🙏🙏💘💒👍💴💴💴☺💞👍❤❤❤❤💯💯💯💯💯💯💯☺💖
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    じろんぬ

    MOURNINGどんな文章か忘れた結果、途中から何故かバトルが始まり方向性が迷子になったのでバッサリ切って供養ルシフェルはカナンの神殿で【その時】を待っていた。繭の前を右往左往し、時折立ち止まっては表面をナデナデし、明らかに落ち着きがなかった。何故なら、彼のおそらく二千年越しの悲願が叶うかもしれなかったのだ。

     思い返せばだいたい二千年ほど前、新たな天司の製造をルシファーに任された時のことである。その日もルシフェルは繭の前でソワソワとその時を待っていた。
    「入るぞルシフェル」
     ノックもなく扉を開け放ったルシファーは、返事を待つこともなくツカツカとこちらへやって来ようとする。
    「待ってくれ友よ……!」
    「待たん。俺の計算ではもう間もなく……む?」
     やがて羽が解けるように開き、中から蝶が羽化するように彼が生まれた。流石は友、計算通りだ……とルシフェルが感心していたその時である。
    「……パパ?」
     目覚めたサンダルフォンの第一声はそれであった。そしてそれは、心待ちにしていたルシフェルにではなく、目の前に立っていたルシファーへと向けられていた。
    「何だこれは」
     不愉快を顔に貼り付け、ルシファーは裾を握って離さないサンダルフォンを見下ろす。恐れていた事態が起こっている。
    「鳥の雛は最初に見た相手 1113

    related works