長編 4章 目が覚めた時、一瞬だけ、そこが死後の世界であるように感じた。割れるような頭痛に襲われて、その考えはすぐに消え去る。この感覚は、どう考えてもループの後遺症だ。過去に三度も体験したものを、そう簡単に間違えるはずがない。
室内の様子を捉えようとするが、瞳は使い物にならなかった。視界は鈍くぼやけていて、差し込む朝日の眩しさしか分からない。抽象的に浮かび上がるものの配置から、そこか自分の部屋であることは理解できる。僕の予測が正しければ、これは四度目のループということになるだろう。
なぜ、僕は生きているのだろうか。何をきっかけに一ヶ月の時を遡り、始まりの日に戻ってしまったのだろうか。前回のループで命を絶った時、僕は繰り返しを望まなかった。にも関わらず、僕の意識はこの時に戻っていたのだ。
17991