お題:ハロちゃんの肉球をふにふにする降風 上司の家に行ったら彼の愛犬が真っ先に飛び付いてきた。
「やあ、ワンちゃん。おはよう」
靴を脱いで上がってから、すぐにしゃがみこんで頭を撫でる。
「あれ。僕より先に迎えに出たのか」
肩にタオルを引っかけた降谷が、風見にまとわりつくハロを見て言った。
「おはようございます、降谷さん」
「おはよう、風見。朝からすまないな」
「いえ。登庁まではまだ余裕があるので大丈夫です」
そう言って、風見は持参した資料を降谷に差し出した。
「ありがとう。今日中に確認しておくよ」
「よろしくお願いします」
仕事の話をするふたりを、ハロはキョロキョロと見比べていたが、しばらくしてムムッと顔をしかめ、前足を風見の足に乗せた。
「どうしたんだい、ワンちゃん?」
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