Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    桃原@Xfolioに移動中

    @momohara2022

    クロスフォリオに試しに移動中です。
    https://xfolio.jp/portfolio/momohara2022
    ここは練習・らくがき置き場になる予定。
    天官賜福/TGCF/花怜🦋🌸

    ☆quiet follow Yell with Emoji 🍁 🌸 🎲 💗
    POIPOI 120

    Happy New Year 2023🦋🌸🎆
    どこかの街で新年の花火を見ている謝憐と花城です。
    今年も二人に幸せあれ。

    新年快乐2023「あけましておめでとう、三郎」
    「あけましておめでとう、哥哥」

    目の前で上がる色とりどりの花火を見ながら、新年の挨拶を交わし合う。
    通りを歩く人々のはるか頭上、誰もいない屋根の上に、二人はぴたりと寄り添って座っていた。

    「寒くない?」
    「平気だよ。三郎は?」

    そう聞くと、花城が指をからめて、いたずらっぽく目くばせをする。

    「哥哥がもう少しくっついてくれたら寒くない」
    「これ以上くっつくなら、君の膝の上に乗らなきゃいけなくなる」
    「いいね。どうぞ」

    ふざけて言っているだけだと声色からわかり、謝憐は思わず笑って花城に口づけた。
    体をあたためるためにと花城が用意した酒の後味が、二人の唇の間を移っていく。

    やがて唇が離れると、花城が微笑んでたずねた。

    「哥哥は今年何をしたい?」
    「そうだな……まずは寒いうちに一度温泉に行かないか? ほら、去年行けなかった山奥の秘湯」
    「雪見風呂の宿だね。いいね、行こう。他には?」
    「春はお花見をして、夏は海。君と見た星空も綺麗だったからまた見たい。秋はいつもの高楼で月見をしよう。あそこの紅葉は本当に綺麗だ」

    哥哥のほうが綺麗だよ、といつもなら間髪入れずに返ってきただろう。
    だがお決まりの台詞は続かず、花城はおだやかな目で謝憐を見つめているだけだった。

    「どうかした?」
    「それは全部、俺と?」
    「?」
    「花見も海も星空も月見も、俺と?」
    「当たり前じゃないか。何を今さら……」

    花城が体をひねって、謝憐をゆっくりと抱きしめた。

    「ど、どうしたんだ、三郎」
    「……哥哥の『今年したいこと』の中に当たり前のように俺がいて、嬉しくて」

    抱きしめる腕の強さに、耳もとに落とされた声のせつなさに、胸が甘くしめつけられる。
    謝憐は息を吐いて、花城の頭をやさしくぽんぽんと叩いた。

    「君がいない今年なんて、思い描けないよ」
    「未来永劫、思い描かなくていい。今年も来年もその先もずっと、あなたと一緒にいます」
    「うん」

    ひときわ大きな花火が夜空に広がり、地上から歓声が上がる。
    新しい年の始まりを告げる光景を眺めながら、屋根の上の二人はもう一度深く甘い口づけをかわした。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works