言いましたよね。俺の方が、我慢できなくなるって「小野寺、ちょっとだけ充電させて」
仕事が一段落ついた後の束の間の休憩時間に高野さんが抱きついてくる。そのまま顎を持ち上げられてキス…されそうになった所で慌てて止めた。
この数週間忙しくてまともに触れ合ってないから、高野さんが求めてくる時は必然と俺も同じように高野さんを欲しくなってる訳で……だからこそ困る。
「……今、は…俺が我慢できなくなる、から…ダメです」
こんな風に答えれば高野さんがどう反応するかなんて分かってるけど……。
「……それって、煽ってる?」
案の定、高野さんの手はそのまま俺の腰を撫で回す。
「ちがっ……ん……ッ」
ダメだって言おうとした瞬間に唇を塞がれた。
後頭部に添えられた手にグッと力を入れられて上を向かされる。
そのまま口を開けばすぐに高野さんの舌が入ってきて俺の舌と絡められる。いつもみたいに舌先で擽られたり上顎を舐められると気持ち良くて、どんどん頭がボーッとしてきて何も考えられなくなる。唇が離された時には俺はすっかり息が上がっていた。
「充電完了」
高野さんは満足そうな顔で笑ってる。
俺は余計に物足りなくなってしまった、なんて言えるはずかなくて。高野さんが満足した代わりに俺の方がまだし足りない。
「………高野さん」
高野さんが返事をする前に噛みつくように口付けて、さっきの仕返しに同じように舌を絡め取ってやった。
「言いましたよね。俺の方が、我慢できなくなるって……」
俺の意外な反撃に呆気にとられたのか高野さんは僅かに目を見開いて固まっている。
「……続きは帰ってから、いくらでも付き合うんで。早く終わらせて帰りましょ」
勢いで告げてから恥ずかしくなって高野さんの顔は見れなかったけど、どうやら気合いの材料にはなったらしい。高野さんのスピードは先程よりも上がり、予定通りに仕事を終わらせることができた。