「早く朝メシ食いに行こうぜ!俺ここのビュッフェ楽しみにしてんだよ~!」って朝からハイテンションの竜胆にいつもより早めに起こされる蘭。
朝から元気で微笑ましいな~って竜胆を見てる俺さん。蘭は無理に起こされて若干機嫌悪いけど、ビュッフェ楽しみ過ぎて気付いてない竜胆に強制的に着替えさせられてビュッフェの会場に連れて行かれる。
「はい」って竜胆にトレイとかお皿を持って所在なさげにしてる蘭。蘭にそれらを渡した当の竜胆は勝手に自分の好きなものどんどん取っている。
正直水とコーヒーでいいなとか考えてた蘭だけど、せっかく来たから食べるか…とちゃんと料理を見始めるがいつもより早い時間のせいで胃が動かなくて料理に対する食指も動かない。…やっぱり水とコーヒーと適当にフルーツでも摘まむか、と考え始めたところに俺さんの姿が目に入る。竜胆と同じように楽しそうに料理を見ている俺さん。その隣にそろそろと寄っていく。
「(俺)さんなに食べんの?」
「どうしようね。いっぱいあって迷うなぁ…」
「蘭くんは?なに食べる?」
「…水分取って適当にフルーツ摘まむ」
「いつもと一緒じゃん。いっぱい種類あるんだから好きなの選びなよ」
「…まだ胃動かねえって」
「そう思ってるだけだって。食べ始めたら大丈夫だよ」
意外と強引な俺さん。たぶん俺さんの言ってることはあってる。いつも水分取ってちょっと時間経ったらお腹空いてくるから。
それでも料理を選ぼうとしない蘭に俺さんは少し小さなため息を吐く。
「はぁー…。パンとご飯なら?」
「え?」
ポカンとする蘭に「ほら、どっち?」と促す。
「…(俺)さんはどっち?」
「俺?俺は米」
「じゃあ俺も…」
「蘭くん朝はだいたいパンだろ?」
「…たまには和食の気分のときもあるんだよ」
「そう。卵は?」
目玉焼き・出汁巻き・スクランブルエッグ・温泉卵…を見て「いい」と言う蘭。その横で俺さんはシレっと出汁巻きを自分の皿に盛る。
「俺の食べたくなったらあげるね。メイン、は――、和食だから魚にしようか?」
「そう、だな」
「俺は鯖にしようかなぁ…。蘭くんは青魚苦手だからこっちにしておきな」
勝手に、かつ当然のように蘭の皿に魚を置く俺さん。あまりの自然さに蘭も「あ、うん」しか言えない。
「サラダは?玉ねぎとじゃこか豆腐と水菜」
「…水菜」
「小鉢は食べたいのある?」
「とくには…」
「じゃあ適当に取るから好きなの食べて」
「うん。――あ、」
「なに?食べたいのあった?」
「これ」
「ああ、いいね。俺も食べようかな。汁物は?味噌汁とお吸い物」
「んー…お吸い物?」
とか言いながらゆっくり時間掛けて選ぶ。
二人が席に戻ったときにもうすでに食べ始めてる竜胆。
「二人とも和食かぁ~。兄ちゃんが和食選ぶの珍しいね。てかやっぱり米も食いたいなぁ。もう1回行こうかな…」
「俺の食えよ」
「兄ちゃんは全部食って!」
「そうだよ。竜胆は自分で好きなの選んできな。で、蘭くんは盛ったやつゆっくりでいいから食べなね。食べ終わるまで待ってるから」
その後
「なあ、」
「なに?」
「兄ちゃんのあのチョイスって(俺)が選んだの?」
「選んだっていうかどれ食べるって聞いて蘭くんが答えてた感じ?」
「へえ…。つーか(俺)が兄ちゃんにメシ食えっていうの珍しくない?」
「そう?」
「いつも食いたくないなら無理すんなとか好きなときに食えって言ってるじゃん」
「そう言われればそうかも…。――でも蘭くん痩せただろ?」
「そう!え、よく気付いたな?!」
※蘭は竜胆に体重管理されてる
「きのう抱いたとき挿れたら蘭くんの腹ボコってなったからさ。痩せたかなって」
「…、判断方法さぁ…(呆れ)」
おわり