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    で@Z977

    @deatz977

    グスマヴェちゃんだけをまとめておく倉庫。
    🦆🐺至上主義強火。独自解釈多。閲覧注意。
    (全面的に自分用なので配慮に欠けています)

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    POIPOI 75

    で@Z977

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    とろける甘味料
    グスがマの代わりになんかいかがわしい薬を飲んで理性が危うい話。前後も書きたい。
    派生元ついまとめ➠https://min.togetter.com/hDTXcw1

    とろける甘味料「こんな状態でも……、おれは、手を出してもらえない?」

     逃がしてやらないと。
     頭の中に響く警鐘とは裏腹に、マーヴェリックを抱きしめる腕に力がこもった。逃がしたくなかった。バランスのよい筋肉にしっかりと覆われた小柄な体躯が軋む。血液を巡る怪しい薬がままごとのように、鼻腔に広がるマーヴェリックの匂いが脳内を犯した。熱に浮かされたようにぼうっとする。強烈な媚薬だった。
    「ここから出ていけって、言っただろ」
     もがくことすら許さないと言わんばかりに腕の中に閉じ込めておいて酷い言い様だった。ハァーッ、ハァーッと呼吸が荒くなる。じっとりとした熱が体内から溢れる。熱を、放ちたい。
    「逃げろ、って、意味、だからな」
    「……だったら、…出ていく理由なんて、ない、だろ」
     腕の中の体が強張った。怯えているかもしれないのに、拘束を緩めてやれない。
    「おれがグースから逃げるなんて、ありえな……ッんァ、っ」

     匂い立つうなじに誘われてむしゃぶりつく。アッ、アッ、っとマーヴェリックの唇から漏れる声に気を良くして舐るように何度も吸い付いた。軽く犬歯を突き立てればその度にビクンッと震える体が、生殺与奪の権をグースに明け渡していた。嗜虐趣味なんてないはずなのに、捕らえた獲物を貪り尽くしたい衝動に駆られて喉元に舌を這わす。
     グースの耳を熱のこもる淫らな吐息が掠めた。酸素を得ようとはふはふとせわしなく呼吸を繰り返すマーヴェリックを見遣る。だらしなく開いた唇から誘うように赤い舌が覗いている。潤んだ瞳が縋るようにグースを映していた。

     マーヴェリックが、俺を、誘惑している。

    「ぐー…、」す、と呼ばれたかどうかわからない。制止の言葉が紡がれるのかもしれなかった。けれどもグースの耳には何も届いていない。言葉ごと呼吸を奪って、マーヴェリックに拒絶の意思など示させるつもりはなかった。
     悪い、と謝ったような気もする。そうじゃないかもしれない。甘いマーヴェリックの咥内に誘われて、そんなことは記憶からすっかり抜け落ちていた。

    「…っ、逃げ、ない……のか?」
    「ん、……は、逃がす気、…あんのかよ」
    「……逃げ、ないで、くれ」

     ――逃げてくれ。紡ぎたかった言葉が、縺れた舌でうまく伝わらない。

    「とーぜん、だろ」
     くしゃくしゃにグースの髪をかき混ぜるマーヴェリックの手は優しかった。瞳が隠れるほどにんまりと笑った顔に許された気になる。駄目だとわかっているのに。この行為は、マーヴェリックを、傷つけるだけだって。

    「アッ、…ん、ぐーす」
     愛おしくてたまらなくて、何度も顔中にキスを降らせる。
     ビクビクと震える体が、小さな喘ぎが。俺の指先で、唇で、マーヴェリックの体を支配しているのだという事実が、肚の奥に歓喜をもたらす。無理やり暴くよりも、ひどく暴力的な支配をしている。

     マーヴェリックの心も、体も、全部、俺のものだ。なんて、当然なことを考える。 傲慢だった。
     だけど、マーヴは、俺のものだから。

    「マーヴ、」

     ――逃げてくれ。
     最後にもう一度だけ、警告するつもりだった。

     あとひとつ、俺が愛の言葉を囁けば、お前がどこにも逃げられなくなってしまうことなんてわかっていたのに。
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    和花🌼

    DONE夏祭りワードパレットを使用したリクエスト
    7 原作
    ・帰り道
    ・歩調を落として
    ・特別
    ・あっという間
    ・忘れられない

    暑苦しいほど仲良しな二人を楽しんでいただけたら嬉しいです。
    夏祭り 7(原作) 夏祭りといえば浴衣を着て、友人や家族、それに恋人なんかと団扇で顔を仰ぎつつ、露店を横目で見ながら、そぞろ歩きするのが醍醐味というものだ。それに花火も加われば、もう言うことはない。
     だが、それは祭りに客として参加している場合は、である。
     出店の営業を終え、銀時が借りてきたライトバンを運転して依頼主のところに売り上げ金や余った品を届け、やっと三人揃って万事屋の玄関先に辿り着いた時には、神楽はもう半分寝ていたし、新八も玄関の上がり框の段差分も足を上げたくないといった様子で神楽の隣に突っ伏した。そんな二人に「せめて部屋に入んな」と声をかけた銀時の声にも疲れが滲む。暑いなか、ずっと外にいたのだ。それだけでも疲れるというのに、出店していた位置が良かったのか、今日は客が絶え間なく訪れ、目がまわるような忙しさだった。実際のところ、目が回るような感覚になったのは、暑さと疲労のせいだったのだが、そんな事を冷静に考えている暇もなかった。
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