雪の夜の道「マーヴ、何やってんだ!」
しんしんと降り積もる雪がわずかな光を白く反射する。暗闇が続く道の先がぼんやりと照らされ、見間違えるはずのない姿を映し出した。
「ぐーす?」
ずず、と鼻を啜る音。すぐ後にふわふわとした声がいつもよりか細く響いて、もう一度鼻がずずと鳴った。
揺らいだ声の原因は、暗闇で姿の見えない人物を不審に思ったからか。或いは冷えた空気に晒されたマーヴェリックの咽喉が、音を出すには充分な空気を肺に送り込むことができていないからかもしれなかった。
「そうだ。お前の相棒だよ。どうした? お前んちに行くって言ってただろ。行き違いになったら……」
「ぐーす、おそかったから、」
まいごになってるかもしれないだろ。
1367