雨続、君と 小さい頃はオカルト的なことを信じてなかった。見えないものよりお姉ちゃんの方が怖かった。幽霊の類なんて見たことないし、心霊現象にも体験したことはなかった。今思うとむしろそれが不思議だった。近所の有名な心霊スポットに行ってもオレが居ると何も出ないらしい。いつもは絶対心霊現象が起こるところも、オレがいると嘘のように何もでない。小学生の合宿でみんながなにかしら見たと言っていたのにオレだけ朝まで爆睡した。自称霊感ある友人曰く、多分特別の力に守られていると。それならラッキーだなと思っただけでオカルトに興味はなかった。中学生になるまでは。
中学生になって、クラスの窓から近くの森が見えると気付いた。丁度席は窓際にいた。授業に集中できない時は窓から風景を眺めていた。ふっと緑の中に白い何かが見えた。よく見たら小さい鳥居だった。とても綺麗と感じた。なぜか目を離せなかった。そのせいで先生に怒られた。それでもオレの脳内はその鳥居でいっぱいだった。
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