禁書盗難事件禁書室から本が盗まれた!
顔面蒼白のシリル様が協力者として、七賢人のモニカ、ルイスと共に本の窃盗犯を捕まえることに。この時についに前にあった時、疾風のリンとかいう大嘘を吐いていたことを暴露したリンが、書物から流れ出る魔力を捜索。モニカとシリル様の鼓膜を揺らし、そのことを二人に連絡。
「見つけました。これは七賢人と貴族議会と識者の家系の者のみの極秘案件とのことです。シリル殿、沈黙の魔女殿。目の前に見える男、詰襟の男がおりますね」
モニカが無詠唱で雷で男をバチッと気絶させ、シリル様が氷の鎖で捕縛。息の合った連携プレーで秒殺ののち
「その詰襟の男ですが、治水の魔術師殿の親戚筋にあたる方で、どうやら今回の窃盗犯に利用されたようです。ルイス殿から伝言がありまして、『その方は治水の魔術師殿のご親戚で、私の妻の遠い血縁者にあたる方です。なんと悲劇的なことに、彼は犯人に騙されてしまったようなのです。だから、彼を見つけたら確保し、安全な場所に移送するように伝えてください。なぁに、あのポンコツ娘だけでは不安ですが、ハイオーン次期侯爵がいるのですから、何とかなるでしょう。あの識者の家系の息子がまさかポンコツということはありますまい。はっはっは!』とのことでした。ですから、その男には声をかけ、こちらの身分を明かした上で……」
ってリンが喋ってるのを聴いて、シリモニ絶句。男に駆け寄って
「おお、お、起きてください! 大丈夫ですか!」
「申し訳ございませんッ! お怪我はッ!」
って声をかけるんだけど、全然起きん。リンが
「……おや? 気絶させたのですか?」
とか言ってたら、嫌な予感を察知したルイスが爆速で飛行魔術でぶっ飛ばしてきて、男とシリモニを交互に見た後、
「そういえば、まだ魔術戦でやっていなかったことがありましたね。『結界を纏って轢き殺す』……クソガキ共、首を洗って待っていろ」
って言って、殺戮宣言をして去って行き、シリモニはルイスに轢き殺されることが確定してしまう。
事件解決後に
「若者の訓練にお付き合いすることになりまして」ってニッコニコでルイスが魔法戦の準備整えて、シリル様は自分がやらかしたからだと思ってるから覚悟を決めて参加することにしたし、モニカはシリル様を守りたいから参加することに。ルイスは宣言通り半球の防御結界で突っ込んできてまずはシリモニを分断、シリル様目掛けて今度は足に盾型の防御結界を貼って思いっきり顔面踏みつけてきて、ニタァと笑って
「おや、ハイオーン次期侯爵殿の綺麗なお顔が泥だらけではありませんか」
ってニッコニコでなおも踏みつけるし、シリル様が氷の柱を生み出そうとするとすかさず結界を解除して顔面を防御結界を張った杖でぶん殴ってくる始末。モニカが叫んでヘタクソな飛行魔術で近寄ってから攻撃してくるのも防ぎながら
「同期殿。普段冷静なあなたが、今日はやけに冷静さを欠いておりますな。これはまさか」
とシリル様を一瞥して
「まさかこの青年があなたのウィークポイントだったとは」
って言って思いっきりヤンキー蹴りでシリル様をぶっ飛ばしてから沈黙の魔女を迎え撃つ。
というところで、吹っ飛ばされながらシリル様が短縮詠唱で氷の鎖をルイスに巻き付けようとする。しかしルイスはその攻撃は杖で受け止める。さらに氷の鎖を発動して追加で杖を拘束する。これで二手だからこの青年は放置でモニカを轢き殺そうとモニカに向き直ったルイス、突然背後から氷の魔術の攻撃を受け、振り返ったら人に化けたピケがルイスの背中を撃っていた。
「上位精霊……盲点でした」
と、ルイスの敗北が確定し、泥だらけにされたシリル様のところにモニカが駆け寄って、半べそになりながら守れなくてごめんなさいって言うけど、シリル様はモニカが轢き殺されなくて良かったというホッとした気持ちになりました。
ルイスに勝利したことで七賢人入りが結構濃厚になりかけるけど、シリル様が全力で辞退する上にその後やってきたブラッドフォードがウッキウキでシリモニがいる森共々全部ドッカンで吹っ飛ばしたせいで、砲弾の魔術師が沈黙の魔女を魔法戦で吹っ飛ばした方が話題性が高くなり、新聞社の見出しは
「森消滅! 未だ衰えを知らない砲弾の魔術師」
になった。(完)