なんでもなくない日「あっ」
卵をフライパンに開けたら双子だった。
2人分焼こうとしていたサニーサイドアップは、はからずも三つ子の目玉焼きになってしまった。
せっかく仲良しで生まれてきたこの子達を大切に、割らないようにそっとお皿に移す。
朝ごはんは一緒に食べる約束をしているからそろそろ彼も起きてくるはずだ。
「お味噌汁も…うん、美味しい」
簡単なものでもいい、いっしょに食べる朝ごはんは日々の活力になる。
ふたりで暮らし始めていったいどのくらいの時間が経っただろう?
まだ勝手がわからなくて喧嘩することもあった。
お互いの常識はすれ違うところもあって、それを擦り合わせていくことで生活が生まれていく。
一緒に息をすることがこんなに大変なんて、暮らし始める前は思ってもみなくて
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