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    0505mmyy

    @0505mmyy

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    0505mmyy

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    ふんわり妄想鬼舞炭です。

    道がある。ただ只管に伸びていて、どこに行くのか分からない道が一つ。この先に何があるのか、どのくらい距離があるのかも教えてくれない。私はこの先を行かないといけないのだろう。
    後ろを振り返っても闇がのっぺりと広がるだけだ。道を敷かれるのは癪に障るが致し方あるまい。だが、何も見えぬまま行くのも未知の恐れがある。
    「無惨」
    頭の中で声が響く。顔も見えんが分かる、炭治郎の声だ。今更ここへ何をしに来た。早く輪廻の輪に加わると良い。
    「俺の話を聞いてくれ」
    何を言う。私を拒絶してこの虚無の世界に置き去りにした奴が。
    「それはお前が俺たちを傷つけたからだろう。お願いだ。話があるんだ」
    手短に願おう。
    「俺がこの道を案内するから付いてきてほしいんだ」
    お前が? 先の見えぬ道を? 知っているとでも言うのか。
    「分かる。俺には見える。日輪が道を照らしてくれているから」
    日輪、日輪。そうかこの世界は私が嫌いか。日の加護なぞ一瞬たりとも受けたことがない。この期に及んで尚私を嘲笑うか。
    「違うんだ。お前をせめてちゃんとした地獄に連れていきたいんだよ。このままじゃどこにも行けないまま消えちゃう」
    「せめて、地獄で何千年かかってもいいから償ってほしいんだ」
    何を償うと言うのか。
    「それを自覚するためにも」
    己の行いを罪と思ったことは無い。
    「それでも行くんだよ。いつか、いつかきっと太陽の元に生まれるように」

    私は少しだけ息を吐いた。

    「ならば精々分かり易い案内をしろ」
    「任せて。地獄まで俺もついて行くから」
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