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    そるち

    @salta0717_53

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    そるち

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    鍾タル(だいぶ前に書き始めたあれ)
    鍾離先生視点だけもういい加減公開すか〜!の気持ち
    短くて軽めです

    (題名は未定) 昼も終わりそろそろ日が沈む頃、鍾離は望舒旅館から璃月へ帰っている途中の道端で「先生!」と軽快な声で呼ばれた。
    「どうした?」 と軽い返事をしながら、すっかり聴き慣れた声のする方へ振り返る。
     彼の目に映ったのは、とびきりの笑顔で鍾離に飛びついてこようとしているタルタリヤだ。 一見すればとても微笑ましい光景だが、残念ながらタルタリヤの両手は鍾離へ抱きつくために伸ばしているわけでなく、水元素で生成された鋭い双剣が握られていた。
     半歩だけ下がり、襟元にギリギリ届かない。落ち着いた様子でタルタリヤへ視線をやると、「ちぇ〜」と頬をふくらせながら不貞腐れている。追撃はしてこない。

    「そう簡単に人に刃を向けない方がいいぞ、公子殿」
    「凡人は今の避けれないんだよ先生...」

    呆れ顔でそう言うタルタリヤを見ながら、何かあって自分を尋ねたのだろうと思い話しかける。

    「公子殿、俺に何か用事があったのでは?」
    「あ、いや…なんだろ、任務帰りで見かけて、つい…?」

     ハハ、と少し笑った後、神妙な顔つきで己の行動についての思考をまとめる公子殿は、少し面白いと思う。

    「そうだ、このあと何か予定はあったりするか?」
    「いや、ないよ。どうしたの?」
    「なに、璃月についたら店で飯でも食べてから家に帰ろうと思ってな。ついでに公子殿もどうだろうか?」

     彼は少し考えた素振りを見せた後、すぐに「いいよ!」と返答をくれた。どうせならということで並びながら、日が落ちる前にと足早に璃月へ向かった。







     他愛もない話をしながら璃月の街を歩く。どこで食べよう等と考えていると、どこからか「今日は万民堂に香菱が居るぞ!」と聞こえてくる。お互いの目が会う。

    「先生、ここにしようよ!」
    「ああ、そうだな」

    店に入ると幸いまだ客はあまり多くなく、待つことなく席に着き注文をした。しばらくすると、出来たての美味しそうな料理が届けられた。

     タルタリヤは海鮮を美味しそうに食べている。何故アレを好んで食えるのか不思議で仕方ないが、人の好みは千差万別であると割り切って自分も頼んだものを食べる。
    美味しそうに食べている公子の顔を見るのはとても面白い。見すぎていたらしく、「食べる?」と言いながら、すっかり使い慣れた箸でずいっと海鮮を差し出される。

    「...行儀が悪いぞ公子殿」

    「そうかい」といいながら、少し残念そうにそれを自身の口へ入れた。ちょっと意地悪をされてしまったなと思い、何かお返しでもしてみようと思った。

    「公子殿は何か苦手な食べ物はあるのか?」
    「苦手なものかい?うーん、特には無いかな」
    「ふむ、そうか...」
    「もしかして先生、仕返しがしたかったのかい?」
    「まあ、そうだが...残念ながら公子殿には、食べ物では仕返しできないらしいな」
    「あの岩王帝君様にも、苦手な食べ物があるなんてねぇ!あはは、何度この事実を目の当たりにしても面白いね!」
    「むぅ...」

    実際に苦手なので、何も言い返せることがない。

    食事を終え、公子殿が「どうせ持ってないんでしょ、モラ!」というドヤ顔をしながら会計をしようとしている。残念ながら俺は、そろそろ凡人に慣れてきている。
    「俺の奢りだ」と言い会計を済ますと、公子殿はとても複雑な顔をした。その歪な感情に満ちた表情がとても愛らしかった。

    「神だった俺に夢を見ていてもいいが、程々にな」

    少し大人気なかっただろうか、しかし仕返しは出来たので少し満足した。今日は回り道でもして、ゆっくり帰ろう。
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