「どうしたの悠仁」
悠仁が急に立ち止まったせいで、数歩先を進んでいた五条が振り返った。
悠仁の心臓は激しく鼓動を打ち爆散秒読みに入っている。
言うか言うまいか、悠仁はもうずっと頭を悩ませていた。しかしこれ以上黙っているのは無理だという考えに至った。
任務帰り。もうすぐ日付が変わる頃、まだ開いているラーメン屋に入って、共に腹を満たした。店を出ると、火照った肌に夜風が気持ち良かった。
人気の無い遊歩道を並んで歩いているうちに、気持ちが込み上げてきて、声に出さずにはいられなくなってしまった。
「俺、五条先生のことが好きなんだ」
心臓がこんなにも速く打つのは初めてのことで、それなりに死線を越えてきたつもりだったけど、それとこれとはまた別なんだなと悠仁は思った。
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