目立つのは好きだ。チヤホヤされるのも。
だからコンテストアイドルをやってるし、会場の外に出た時、ファンだという人達に囲まれてとても嬉しかった。嬉しくてファンサービスをいつもより多くやってたんだ。……まあ目立つのが好きな理由はそれだけじゃないけど
「随分遅いと思ったら、さすがコンテストアイドル。人気者だね」
「ダイゴさん!」
帰りが遅いため迎えに来たという恋人のダイゴによってもうコンテストが終了してから二時間がたっていることに気が付いた。
「もうそんなに時間経ってたの!?」
「そうだよ。そろそろ帰らないと一緒に見たいって言ってた別地方のバトル大会見れなくなるよ」
「う、まだみんなと一緒にいたいけど大会見られないのはやだ…うー…」
ファンと交流したいのは山々だが、ダイゴは心配して迎えに来てくれたのだ。それを無下にすることは出来ない。名残惜しいがとびっきりの笑顔でファンに別れを告げた。
「みんな今日は応援ありがとう!次も優勝するからまた応援よろしくね!」
最近綺麗にできるようになってきたウィンクを決めながら言えばわっと歓声が上がり、場を丸く収めることができた。
そのままチルタリスをボールから出し上に乗り、同じくエアームドの上に乗ったダイゴと共にトクサネに向けて飛び立った。
「ダイゴさんは今回の大会だれが勝つと思う?オレこの人かなって思ってるんだけど…」
「ユウキくん」
「っ………!」
ダイゴの家に着き、テレビをつけようとしているとダイゴに呼ばれた。……ああ、大会はお預けだ。せめて録画はさせてくれないかな。