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    tyoko54_OPhzbn

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    tyoko54_OPhzbn

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    🧪夢。
    感情ジェットコースター。

    好み「ありがとう」
    ニュースクーから新聞を受け取り、大きな鉄扉に戻っていく。
    閉鎖された島、パンクハザード。
    島の半分で気候がバッツリと分かれているこんな何もない島で、毎日くる新聞は🌸にとっての娯楽だった。
    「……」
    世界情勢や、芸能人のゴシップニュース。コラムや、投書コーナー。
    ざっと目を通しながら、🌸はコツコツとシーザーの研究室に向かう。
    「シーザー。新聞」
    ノックもなしに部屋に入り、バサリと新聞をテーブルに置けば、
    実験器具に熱心に向かっていたシーザーは、ギョッとした顔でこちらを見た。
    「もう朝か!?」
    「そうだよ」
    よっぽど集中していたのか、シーザーは朝だと気づいていなかったらしい。
    マグカップに残ってるコーヒーを煽り、少し顔をしかめた後、🌸がテーブルに置いた新聞を手に取った。
    「シーザーのことは特に書いてないよ」
    「書いてあってたまるか。次におれが新聞に載る時は、おれ様の偉大なる発明が賞賛される時だっつーの!」
    「んー……」
    「聞けよ!!」
    生返事を返す🌸が見ていたの、は手配書の束だった。賞金首である海賊たちの写真と名前が載っているものだ。🌸はそれを一枚ずつ確認していく。
    「……あ」
    「あ?」
    ふとみつけたその手配書をみて、🌸は思わず声を上げた。
    「なんだァ、なにか珍しいもんでも載ってたか?」
    「いや、かっこいいなって。この人」
    シャーロット・カタクリ。シャーロット、つまり、ビックマムの子供の1人だろう。
    手配書には、眼光の鋭い短髪の男性が写っていた。
    「お前、こんな人でも食ってそうな男が好みなのか?」
    「かっこいいよ」
    「……あーあー、そうかよ」
    呆れたようにため息をつくシーザーを無視して、🌸はその写真をじっと見つめた。
    「なんでこの人は懸賞金が高いんだろう」
    「そりゃあ、ビッグマムの息子だからなァ。懸賞金額は、高くなるだろうさ」
    「そっかぁ」
    納得して、🌸はもう一度カタクリの写真を見つめる。
    「……おい、そいつがそんな好みなのか?」
    「え?うん、好きかも」
    「じゃあ、こっちはどうだ」
    「んー……」
    次のページをめくった瞬間、🌸の顔色が曇った。
    「全然タイプじゃない」
    バジル・ホーキンス。細みで長髪の男だった。
    「コイツは」
    「あ、好き」
    ユースタス・キャプテン・キッド。ガタイの良い、赤髪短髪の男。
    「……」
    「な、なに?」
    じっとりした目線で見られ、🌸は思わず後ずさりをした。
    「お前、趣味悪いんじゃねェのか?」
    「だって、顔が良いもの」
    はぁ〜と、大きくため息をついたシーザーは、椅子にもたれかかって天井を仰ぐ。
    「……仮眠する」
    「朝食は?」
    「1時間後に起こしに来い」
    「わかったよ、"M"」
    立ち上がり、研究室の奥の私室へ引っ込むシーザーの背中を見送り🌸は、また手配書の束を眺めるのだった。

    ***

    「シーザー、起きてる?」
    鉄扉をノックし、反応を伺う。しかし中からは返事がない。
    まだ寝ているのかと思いつつ、🌸はゆっくりと部屋のドアノブに手をかけた。
    ギィと音を立てて開いた部屋の中に、シーザーの姿はない。
    ただ、ベッドの上に脱ぎ捨てられた白衣があるだけだ。
    「シーザー」
    どこ行っちゃったんだろ。
    部屋から出ようと振り返ると、目の前にシーザーがいた。
    「わ、びっく……し、シーザー。なにそれ!」
    白衣なしの姿で立っているシーザーには決定的なものが欠けていた。
    「髪の毛!どうしたの!」
    ボサボサとした長髪が、綺麗さっぱりと短くなっていた。
    「……伸びてきてたから切っただけだ」
    シーザーは不機嫌そうに答えながら、ベッドに脱ぎ捨てた白衣を手に取る。
    「びっくりした……。でも、なんで急に切ろうと思ったの?」
    「別に理由なんてねェよ……で、どうだ?」
    「どう、とは……」
    何か言ってもらいたげな顔だった。🌸は改めてさっぱりしてしまったシーザーを見た。
    「……似合わないね」
    「あぁ?!!?」
    怒られた。
    「好みじゃねェのか!?」
    「えーっと……」
    🌸は少し考える。まさか、先程の手配書で好きだと言ってた男が全て短髪だったから
    切ったとでも言うのだろうか。
    「……うん、かっこいいと思うよ」
    「どっちだよ!」
    結局シーザーに怒鳴られてしまった。
    イライラしながら自分の髪の毛をかき混ぜ、シーザーはふんっと私室を出て行く。
    その後を追いかけながら🌸は「ごめん、いつものシーザーの方が好きだから……」と弁解する。
    「いつものおれが、"好き"」
    好き、という言葉にシーザーの動きが止まる。
    「うん、そう。好き」
    「……」
    沈黙。背を向けたまま黙られるのは怖い。
    「そうか、そーか! 🌸は、いつものおれが好き、か!」
    振り返った、シーザーはご機嫌な顔だった。
    「う、うん」
    「シュロロロ、なら、良い。ま、たまには髪が短いのも悪くねェよな」
    「そうね……」
    「シュロロロ」
    なにがよかったのか。急に機嫌を良くしたシーザーに🌸は引き気味に、笑い返すのだった。
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