Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    silver02cat

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 1

    silver02cat

    ☆quiet follow

    くりつる6日間チャレンジ2日目だよ〜〜〜〜〜!!
    ポイピク小説対応したの知らんかった〜〜〜〜〜!!

    #とうらぶ
    swordFighting
    #くりつる
    reduceTheNumberOfArrows

    切望傍らに膝をついた大倶利伽羅の指先が、鶴丸の髪の一房に触れた。

    「…………つる、」

    ほんの少し甘さを滲ませながら、呼ばれる名前。
    はつり、と瞬きをひとつ。 

    「…………ん、」

    静かに頷いた鶴丸を見て、大倶利伽羅は満足そうに薄く笑うと、背を向けて行ってしまった。じんわりと耳の縁が熱を持って、それから、きゅう、と、膝の上に置いたままの両手を握り締める。ああ、それならば、明日の午前の当番は誰かに代わってもらわなくては、と。鶴丸も立ち上がって、その場を後にする。

    髪を一房。それから、つる、と呼ぶ一声。
    それが、大倶利伽羅からの誘いの合図だった。

    あんまりにも直接的に、抱きたい、などとのたまう男に、もう少し風情がある誘い方はないのか、と、照れ隠し半分に反抗したのが最初のきっかけだった気がする。その日の夜、布団の上で向き合った大倶利伽羅が、髪の一房をとって、そこに口付けて、つる、と、随分とまあ切ない声で呼ぶものだから、完敗したのだ。まだまだ青さの滲むところは多くとも、その吸収率には目を見張るものがある。少なくとも、鶴丸は大倶利伽羅に対して、そんな印象を抱いていた。いやまさか、恋愛ごとに関してまで、そうだとは思ってもみなかったのだけれど。かわいいかわいい年下の男は、その日はもう本当に好き勝手にさせてやったものだから、味を占めたらしく。それから彼が誘いをかけてくるときは、必ずその合図を。まるで、儀式でもあるかのようにするようになった。

    「……つる、」

    そう、呼ばれるのに、弱い。
    きっと、大倶利伽羅もそれを知っている。
    だからきっと、本当に、ここぞ、というときにしか、彼はその二文字を口にすることはない。

    「…………から、ぼ、う、っ、」

    夜闇が、部屋の中を包んでいた。
    埋める空気は、相反するように熱く。
    けれど身体の熱は、だんだんと引いてゆく。酷く荒くなった呼吸をどうにか整えて、瞬きを繰り返して浮かんだ涙を散らせば、覆いかぶさったままの大倶利伽羅が、こちらをじいと見つめたままなのが分かった。おもむろに、柔らかな指先が、すっかり汗みずくの肌を滑って、頬から、首筋、鎖骨、胸元、腹。そうして、腰のあたりをゆるやかに撫で上げた。

    「ん、っ、」

    過敏になっている身体は、たったそれだけの仕草でも快感と取り違えたように、ぴくりと跳ねる。すりり、と、触れた手の甲から腕に巻く龍の鱗を撫でるように、こちらも指を滑らす。ゆっくりと昇っていって大倶利伽羅の頬に触れれば、素直に擦り寄ってきた。その幼げにも見える振る舞いに、どうにも愛しさが込み上げてしまう。

    「……からぼう、」
    「ん、」
    「もう、今日は……」
    「鶴丸、」
    「…………っ、だめだ、って、」
    「なあ、」
    「なに、」
    「…………あんたが、足りない、」

    請う瞳は、おそろしいくらいに純粋だった。

    「…………たのむ、つる、」

    ほんの少し甘さを滲ませながら、呼ばれる名前。
    はつり、と瞬きをひとつ。 

    「……………………わかったよ、」

    小さく息を落としてから、その首に腕を回し直した。随分とまあ切ない声で呼ぶものだから、完敗したのだ。今夜も。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    🐉🐥💖👏😭
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    silver02cat

    DONEくりつる6日間チャレンジ2日目だよ〜〜〜〜〜!!
    ポイピク小説対応したの知らんかった〜〜〜〜〜!!
    切望傍らに膝をついた大倶利伽羅の指先が、鶴丸の髪の一房に触れた。

    「…………つる、」

    ほんの少し甘さを滲ませながら、呼ばれる名前。
    はつり、と瞬きをひとつ。 

    「…………ん、」

    静かに頷いた鶴丸を見て、大倶利伽羅は満足そうに薄く笑うと、背を向けて行ってしまった。じんわりと耳の縁が熱を持って、それから、きゅう、と、膝の上に置いたままの両手を握り締める。ああ、それならば、明日の午前の当番は誰かに代わってもらわなくては、と。鶴丸も立ち上がって、その場を後にする。

    髪を一房。それから、つる、と呼ぶ一声。
    それが、大倶利伽羅からの誘いの合図だった。

    あんまりにも直接的に、抱きたい、などとのたまう男に、もう少し風情がある誘い方はないのか、と、照れ隠し半分に反抗したのが最初のきっかけだった気がする。その日の夜、布団の上で向き合った大倶利伽羅が、髪の一房をとって、そこに口付けて、つる、と、随分とまあ切ない声で呼ぶものだから、完敗したのだ。まだまだ青さの滲むところは多くとも、その吸収率には目を見張るものがある。少なくとも、鶴丸は大倶利伽羅に対して、そんな印象を抱いていた。いやまさか、恋愛ごとに関してまで、そうだとは思ってもみなかったのだけれど。かわいいかわいい年下の男は、その日はもう本当に好き勝手にさせてやったものだから、味を占めたらしく。それから彼が誘いをかけてくるときは、必ずその合図を。まるで、儀式でもあるかのようにするようになった。
    1312

    related works