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    艾(もぐさ)

    PAST第三者視点や写り込み・匂わせ自カプ好きが高じた結果。
    別キャラメインの話に写り込むタイプのくりつるです。
    村雲(&江)+鶴丸。村雲視点&一人称。
    別題:寒がり鶴と、腹痛犬の恩返し。

    この他、創作独自本丸・演練設定捏造など盛り込んでます。
    鶴丸が村雲推し。つまりは本当になんでも許せる人向け。

    ※作中に出てくるメンカラーは三ュのものをお借りしていますが、三ュ本丸の物語は全く関係ない別本丸です。
    【後夜祭/鍵開け】わんだふるアウトサイド ここの鶴丸国永は、寒がりだ。
     とは、俺がこの本丸にやってきて数日経った日、同じ馬当番に当たった日に彼から教えてもらったことだ。
    「鶴の名を冠しておきながらこれじゃあ、格好つかんだろう?」
     内緒だぜ、と少しばかり気恥しそうに言った彼に、じゃあ何で縁もゆかりも無い俺に、と表情─どころか声に─出してしまったところ、彼はさして気にした風もなく「気候から来る腹痛なら気軽に相談してくれよ」と笑った。心から来るものには力になれないかもしれないが、とも。
     それだけで、上手くやっていけそうかも、とお腹の奥底、捻れた痛みが和らいだのを覚えてる。
     実際、彼が寒がりだということを知っている仲間は少なかった。彼と同じ所に長く在ったという刀が幾振りか。察しがよく気付いている風な刀もいたけれど、そういった刀達はわざわざ口や手を出そうとしていないようだった。それは、彼が寒さを凌ぐことに関してとても上手だったからかもしれない。
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    艾(もぐさ)

    PAST第一回綴恋合せ展示用小説。突然ハムスター化した伽と、それについては心配するでもなく一緒にいる鶴の小噺。まだデキてない2人。創作動物審神者がいます&喋ります注意。捏造は言わずもがなです。
    22'3.27 ぷらいべったー初掲

    パスワードは綴恋内スペースに掲載しています。
    【後夜祭/鍵開け】君と食む星 伽羅坊がハムスターになった。
     何故なったのか、と聞かれても分からない。朝起きて、畑当番の用意をして、朝ご飯を食べ、冬でもたくましく芽吹こうとする名も無き雑草たちを間引き土を作り、さて春に向けての苗を──と立ち上がったところで、何やら足袋を引っ張られる感触があるなぁと思ったら足元にハムスターがいた。
     小さくふくよかで、野鼠とするには頼りない焦げ茶のそのかたまりを目にした瞬間、何でこんなところに、と考えるより早く思った。
     あ、伽羅坊だこれ。と。
    「伽羅坊?」
     悩むより聞くのが早い。呼びかければ、ハムスターもとい、伽羅坊は小さく「ぢっ」と鳴いた。ハムスターの基本的な鳴き方自体は鼠と変わらないからこれが普通なんだろうが、すこぶる不機嫌極まりなさそうなそれにくつくつ笑いが込み上げる。見れば、小さな耳の下は微かに赤毛が混じっていた。ああ、やっぱり伽羅坊だ。
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    silver02cat

    DONEくりつる6日間チャレンジ2日目だよ〜〜〜〜〜!!
    ポイピク小説対応したの知らんかった〜〜〜〜〜!!
    切望傍らに膝をついた大倶利伽羅の指先が、鶴丸の髪の一房に触れた。

    「…………つる、」

    ほんの少し甘さを滲ませながら、呼ばれる名前。
    はつり、と瞬きをひとつ。 

    「…………ん、」

    静かに頷いた鶴丸を見て、大倶利伽羅は満足そうに薄く笑うと、背を向けて行ってしまった。じんわりと耳の縁が熱を持って、それから、きゅう、と、膝の上に置いたままの両手を握り締める。ああ、それならば、明日の午前の当番は誰かに代わってもらわなくては、と。鶴丸も立ち上がって、その場を後にする。

    髪を一房。それから、つる、と呼ぶ一声。
    それが、大倶利伽羅からの誘いの合図だった。

    あんまりにも直接的に、抱きたい、などとのたまう男に、もう少し風情がある誘い方はないのか、と、照れ隠し半分に反抗したのが最初のきっかけだった気がする。その日の夜、布団の上で向き合った大倶利伽羅が、髪の一房をとって、そこに口付けて、つる、と、随分とまあ切ない声で呼ぶものだから、完敗したのだ。まだまだ青さの滲むところは多くとも、その吸収率には目を見張るものがある。少なくとも、鶴丸は大倶利伽羅に対して、そんな印象を抱いていた。いやまさか、恋愛ごとに関してまで、そうだとは思ってもみなかったのだけれど。かわいいかわいい年下の男は、その日はもう本当に好き勝手にさせてやったものだから、味を占めたらしく。それから彼が誘いをかけてくるときは、必ずその合図を。まるで、儀式でもあるかのようにするようになった。
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