『体調不良』柔らかな陽射しの射し込む執務室の中、ガイアは昨日上げられていた部下達からの報告書へ目を通していた。魔物の巣が新たに三つ確認されたこと、どれも未だ活発に活動をしている訳では無いこと。
それから、近頃悪さをしていた宝盗団の一員を捕縛したこと。
それらの報告書へ羽根ペンで確認済みのサインを書き込んでいると、何やらバサバサと鳥類の羽ばたく音が耳を打つ。鳩にしてはやけに力強い羽音に背後の窓を振り返れば、見慣れた猛禽類がジッとガイアを見つめていた。
「ヴァネッサ……?どうしたんだ?」
ディルックの愛鳥であるヴァネッサの訪問に驚き、目を丸くしながら窓を開いてやれば、器用に飛び跳ねて窓枠へ足をかけてクルルと喉を鳴らす。
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