推しに貢献したい晶くん「う〜〜〜ん………」
真木晶は悩んでいた。
スマホの画面に立ち上げた通帳アプリは己の全財産を表示している。そのあまりにも心許な過ぎる数値にかれこれ一時間以上支出管理アプリと見比べながら頭を抱えている。
「だめだ、これ以上生活費を削ったら人間として最低限の暮らしすら怪しい……」
肺に溜まった空気全てを吐き出す程の大きなため息。
真木晶、二十歳。都内在住の大学二年生。
彼は今とてつもない危機に直面していた。
「うぅ〜〜〜…!!!この前の物販で買いすぎたよなぁ…。でもあれはビジュが良過ぎたのがいけない……俺は悪くない……」
そう、金欠である。
親元をを離れ、一人暮らしをする晶の主な財源は親からの仕送りと自身が稼ぐバイト代。以前まではそれで問題なくやり繰りできていたし、特に足りなくなるだなんてことも無かった。
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