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    さくみ

    @poisaku393

    随時ラクガキか小説更新。大分やりたい放題。なお、勝手に消すことあるます。気に入った、刺さったものあればリアクション、感想等どうぞ🌠

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    さくみ

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    コスモスの話

    コスモスについてのSS『COSMOS AGAIN』※中3設定

    買い物帰りにたまたま通った河川敷。そこにあるコスモスが、風に揺れて踊っているかのように見える。コスモスを見るとあの時唯一くれた花として思い出す度に、ふふっと笑みが浮かぶ。普段照れる事のない彼が、過去一恥ずかしがったのでは?と思わせるくらいの無言でコスモスの手渡し。見た事ない程赤面していたのは記憶に刻まれている。あれから花をくれる事はないけれど、元々そう言うタイプの人間ではないのでそれはそれ。
    未夢は1本だけ河川敷から取って、持ち帰った。
    一輪のコスモスはテーブルの上の花瓶に入れてから、買ったものを冷蔵庫にしまっていると、インターホンが鳴る。
    「あれ~?彷徨どうしたの?」
    「ほら」
    バサッとピンクのコスモスの花束が渡された。
    「わっ、綺麗!え、ど、どうしたの?も、もしかして…」
    自分に?と思ったが、
    「檀家さんちから親父が貰ってきたらしい。うちじゃ今置き場ないし飾れないから、貰ってくれたら助かるんだけど…」
    自惚れた自分が愚かだったと内心ガッカリした。
    「あ、なるほどね!えーとどうしよ、玄関かなぁ」
    「あと…これ」
    彷徨の手元には一輪のコスモスがあり、未夢に向けられている。だが色が違う。
    「あ、色違う~それも可愛い」
    「キバナコスモス。さっき"拾った"」
    「は拾ったって何よ!」
    「それやるよ、じゃーな!」
    逃げるように彷徨はさっさと戸を締め出て行ってしまった。
    「なーにが"拾った"、よ。あれじゃぜーんぜん気持ち篭ってないわよ。バカなんだから………」
    相変わらずそう言う所は1年経っても不器用な人だと思い、ふふっと笑う。
    自室の机の上に置かれた一輪のコスモスは、花瓶に入って流れてくる風に揺られていた。
    ━━━━━━━━━━━━━━━
    『一輪』※⬆️の少し前の時間帯

    夕飯の買い出しの帰り、近くを通った公園に手入れのされていないコスモスを見付けた。あまり見慣れないオレンジのコスモスだった。コスモスを見ると去年あげた事を思い出した。あれから彼女に花を渡した事はない。某自称美少年のように、簡単にバラを誰かに振りまく事が出来るようなキャラではない。しかしなんとなく、それに惹かれてしまって一輪手に取る。携帯で調べたこのコスモスは『キバナコスモス』。実際はコスモスとは違うようで菊に近いらしい。
    「花言葉?」
    花言葉:野生美 幼い恋心 自然な美しさ
    これらの言葉の意味は、彼女には当てはまるのかというと悩み処だが、この一輪だけは持って帰ることにした。
    帰宅後に、檀家の家から戻って来た宝晶が、ピンクのコスモスの花束を抱えて帰って来た。「檀家宅から頂いたからこれはお前に任せる」と息子に押し付け、さっさと次の用事があると出て行った。彷徨も頭を抱えた。飾るにしても場所なんかない。母の墓に供えるにしてもコスモスってありなんだろうかと思って止めてしまった。玄関もすでに花が鎮座している。
    「クソ親父…」
    愚痴りつつ目に入ったのは光月宅。土日とは言え、休日が不規則性な未夢両親は居ない確率が高い。ここなら確実に置いておけるだろう。花束と先程手にした一輪を隠して持ち、インターホンを鳴らしに向かうことにしたのだった。
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