「ルーク。今日はあなたの誕生日でしたね」
自室で学校の宿題を進める最中、家庭教師のジェイドから言われた。
「そうだけど…まぁ俺チキン食えりゃ満足だし」
「私からあなたにプレゼントをご用意しましたよ」
にこやかな笑顔を浮かべる姿に恐怖でルークは身構えた。
「おや、なんですかその警戒は」
「アンタからのプレゼント歴代思い返しても恐怖しかないんだっつーの!」
幼少時期、最初は玩具かと思いきやドリル冊子のオンパレード、次はやる気みなぎると言う怪しげな薬(結局カフェイン入りの目がシャッキリしただけ)、拷問器具等年々怪しさも増大し素直に喜べるものではない。
「今年はとびっきりです♡」
「いらねーよ!」
「まぁ、そう言わず。ただのチケットですから」
「ん?チケット?」
渡された封筒には"for you♡"と印字されたシールが貼ってあり、そこを剥がす。指を突っ込み取り出したのは本当に2枚のチケットだった。チケットの場所は巷で話題の遊園地。
「古い友人からどうだ?と頂いたのですが、人が多い所は好みませんしね。他に考えましたが、生憎喜ぶ子どもも身近に1人だけ。そう、あなたかな?と」
「俺かよ!」
「仲の宜しい方を選んで行かれては?」
「…うーん…」
ルークの中にはガイが浮かんだが、他に1人だけ思い浮かべた人物に連絡を入れた。
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「おー!ルークじゃねぇか珍しいな。オレに電話するとは。明日は大雪かねぇ」
「だー一言余計だっつーの!」
ルークがかけた相手、部活の先輩のユーリ。部内では仲はいい方なのでダメ元で連絡してみたのだ。
「で?ルークおぼっちゃまが何の用だ?」
「えーと、遊園地のチケットを貰ったから、お前に声掛けたんだ」
「ほー、オレと行きたい、と?」
「嫌、か?」
「別に。意外だな、遊園地とか興味あるのか」