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    さくみ

    @poisaku393

    随時ラクガキか小説更新。大分やりたい放題。なお、勝手に消すことあるます。気に入った、刺さったものあればリアクション、感想等どうぞ🌠

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    さくみ

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    地球帰還後の妄想ばっかりな身体にされました。

    タイムリミットまで2人を送ってから3日程経った頃、学校が休みだったし、ゆっくり西遠寺の敷地内を散歩した。ただ、なんとなく回りたくなって。ううん、目に焼き付けておきたいな、が本音。
    ぐるっと回ってお寺の鐘撞き場。
    「あ…」
    彷徨が立っていた。あそこは一番高い場所だし、今日は少し風があるから、彷徨の髪がフワフワと揺れている。背を向けているからわたしにはまだ気が付いてなさそう。
    本当にびっくりだった。3日経っても信じられない。
    「…わたしを…好き…だなんて…信じられないや…でも…」
    嘘じゃないんだって実感してる。
    傍に行きたい。そう思って、鐘撞き場の石段を上がる。

    ──────────あと、どれくらいの時間残ってるのかな?

    彷徨はまだ背を向いてる。呼びかけた。
    「彷徨」
    「ん?」
    ゆっくり彼は振り返った。好きだなぁ、やっぱり。
    でも、今一番言いたい事はそっちじゃない。わたしは近付いてゆっくり肩に寄りかかって、額を付けた。聞こえるように伝えて。
    「……あのね、ありがと…」
    感謝だ。
    「ちょっと離れるだけだもんね。大丈夫」
    「…」
    「大丈夫、だから…言いたかったのお礼」
    「…」
    「西遠寺にいたのが彷徨で、良かったって」
    さ、中に戻ろうかなって離れようとしたけど、出来なかった。彷徨がわたしの肩を掴んでる。
    「…な、何?」
    「それ、こっちのセリフ。急に礼とか……まるで今日でお別れみたいな感じに聞こえるんだけど」
    「え、やだなそう聞こえる?いや、でも実際あとどれくらいこっちにいられるか分からないでしょ?伝えたい事は喋っちゃおうかなって?」
    「やめろよ…今そんな事言うの」
    あれ?彷徨、怒ってる?
    「な、何?怒ってるの?」
    「…ただ、今はそういうの聞きたくねぇだけ」
    「ご、ごめん…」
    ケンカっぽく、なっちゃったかなぁ?彷徨はまた背を向けてしまった。
    「わ、わたし戻る、ね…」
    いたたまれなくなった。すり抜けて行こうとして、今度は逆に呼び止められた。
    「未夢」
    「…え?」
    振り向きざまに抱きすくめられて、心臓が跳ねる。
    「かっ…」
    「仮にもし今日が最後だとしたら…」
    「…」
    「……行くなよって、言っちゃいそうで、悪いけどちゃんと見送れない」
    「…彷徨、寂しいって思ってくれてるの?」
    「…ん」
    そっか。
    「同じだ…わたしも、やっぱり大丈夫じゃないや…」
    大丈夫な訳ない。全然大丈夫じゃなかった。寂しいな。
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