Recent Search
    Create an account to secretly follow the author.
    Sign Up, Sign In

    さくみ

    @poisaku393

    随時ラクガキか小説更新。大分やりたい放題。なお、勝手に消すことあるます。気に入った、刺さったものあればリアクション、感想等どうぞ🌠

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 🙌 👏 👍 👌
    POIPOI 163

    さくみ

    ☆quiet follow

    イヴのかなみゆ小話。

    イヴの過ごし方12月24日。
    冬休みにはとっくに入っているけれど、彷徨は朝から大学の友人達と課題のために街の図書館に行っているみたい。手伝ってと呼びつけられたとか。ただ彷徨も量がすごいらしくて、毎日やらないと追い付かないって愚痴を吐いていた。
    暇を持て余したわたしはその図書館に赴いた。図書館の奥の方。テーブルを囲って、6人の男の子達の中に彷徨がいた。資料用なのか集めた本を片手に睨めっこしながら、勿論全員静かにペンを走らせていた。わたしはフロアの出入口付近で携帯を出してメッセージを送った。

    ────ヴーッ、ヴーッ

    「彷徨バイブ通知来てるぞ」
    「ん…」
    朝から大学のつるんでいるメンバーと課題三昧。おれ以外は聖、柊、冬木、霜、雪城。聖と柊は双子の兄弟だ。瓜二つでたまに間違えるレベル。
    「つーか、やってもやっても減らねえよな。俺、彼女と今日の夜に会うから~それを糧にやる!」
    「雪城、それ誰も聞いてねえから」
    「彷徨連絡誰から?彼女?おまえの彼女見た事ないからさ、今度会わせろよ」
    「オレも見たい!清楚系?ギャル系?」
    何系、と言われるとどうだろう。
    「んー……天然初心系?」
    「マジか意外じゃん!写メないの?」
    「おい、聖~、彼女いねぇからってひがむなって」
    「うっせぇ、リア充共は永遠に爆発しろぉ」
    そう言えばメッセージ来てたっけ。どうやらここに来ているらしい。
    「あー図書館に来たっぽい」
    「マジでどこにいんの彼女!」
    「霜、おまえうちの高嶺の花。美人のインテリイケ女先輩狙ってたろ?人の彼女取る気かよ」
    「は?」
    「うは、やっべー!おい彷徨がガン睨みしてんぞ霜~」
    「殺されるなよー」
    そんな下らないやり取り。ふと、奥の出入口からひょっこり顔出す人物。
    「ちょっと行ってくる」
    「「オレらも行く~♪」」
    「柊と冬木…お前ら…」
    「「俺らは待ってるから呼んで来て~」」
    残りは待ってるらしい。多分来ないと思うが言わせておこう。そのまま出入口に向かって歩き、おれの後ろから2人付いて来る。
    「未夢」
    「か、彷徨ごめんね、き、来ちゃっ「「うおぉーっ可愛いじゃーん」」
    後ろのハイエナ達、本当に見たかっただけか。未夢も初対面のデカい声にビビっている。柊と冬木は三太みたいなお調子者タイプだから初対面だとキツイかも。
    「あー、悪い。コイツら大学の学友」
    「「オレたち彷徨くんの親友なんですぅ♡」」
    いけしゃあしゃあな奴らだ。
    「こ……こん、にちは…」
    「どうした?」
    「え、えとー…」
    「バッカだなぁ彷徨。今日はイヴだぞ?普通に考えたら彼女ちゃんおまえに会いたくて来たんだろうが」
    「優しくねぇ男だな~彼女ちゃん、コイツ優しくないっしょ?オレらにもだもん。どうせ浅い付き合いだからそんな事言えるんだろ?」
    「は?コイツとは中2からだから5年だけど?」
    お前らに浅い付き合いだのなんだの言われる筋合いはない。紆余曲折あれど、自身にとって1番手放せない宝物のような人物だ。本人にはそんな小っ恥ずかしい事言わないし、言うキャラではないが。未夢の肩口を抱き寄せれば顔を真っ赤にする。未だにこうなるからやっぱり天然初心系は間違ってないと思いたい。
    「ちゅ、中2からずっと…?」
    「え、彷徨の言ってる事マジっすか彼女ちゃん?」
    未夢が頷けば、両膝から崩れた野郎共。
    「はぁー5年も付き合ってる彼女いるなんて聞いてねぇぞ彷徨!」
    「あてつけ!あてつけじゃん!」
    「彼女いるとは言ったぞ?何か知らんが勝手に浅い付き合いとか思い込んでたお前らが悪い」
    「あ~わ、わたしやっぱり帰るね。何か忙しそうだし」
    とは言えイヴだ。夜だけは開けて欲しいと未夢も言っていたし元々誘うつもりだった。
    「じゃあ夜家に。ちゃんと予定も開けてるし、オヤジ今日いないし」
    ぱっと顔が明るく見えた。
    「う、うん!ありがと」
    パタパタと図書館の玄関口から出て行った。
    「おまえさぁ、そこは夜待たずして今一緒に行ってやれば株上がるのに」
    「おれは家でやっても構わなかったけど、どうしても課題少し手伝ってくれって呼び付けて来たの誰だっけ?」
    「「コイツ」」
    柊と冬木がお互いを指さす。おれから言わせればどっちもなんだが。
    「午前中には出ようぜ…流石に疲れた」
    「昼飯どうする?」
    「お前らはまず1Pも進んでないだろーが!」
    こんなお調子者ズに付き合ってるとあっという間に1日終わってしまう。

    - ̗̀☾⋆ ̖́-- ̗̀☾⋆ ̖́-- ̗̀☾⋆ ̖́-

    無理やり行ってしまった。逆に迷惑かけちゃったかなぁ、なんて思いながらも、その夜わたしはお隣に顔を出した。静かな廊下を歩いて、明るい彷徨の私室。
    「彷徨ぁー…?入っていーい?」
    「どうぞー」
    開けると彷徨はまだ課題の真っ最中。と思っていたらコロンとシャーペンを転がして床に大の字。
    「大丈夫?」
    「しんどい」
    チラッと見たノートにはびっしりと読めない化学式。
    「…彷徨理系科に入ったんだっけ?」
    「ソーデスよー」
    これは大変な課題だ。わたしじゃ全く手伝えない。
    「読めないなぁ」
    「何飲む?」
    「あ、ううん大丈夫~お風呂入って来たし飲み物あるよ!」
    保温がされるタンブラーを出した。
    「午前中悪かったな。アイツら悪絡みして」
    「えー?気にしないよ~?びっくりはしたけど」
    「流石におまえ連れて席に戻る勇気なかったな…何せ後3人もいたし絶対絡まられるだろうと思ったし」
    「あはは、仲良いんだね~」
    「仲良いか分からねえけど、まぁ大体あのメンツだからなぁ」
    「彷徨がちゃんと大学で仲のいい人達がいてよかった。ちょっとだけ…妬けちゃうなぁ」
    寝転がっていた彷徨は起き上がって、距離を詰めてきた。じっと見詰められて頬に手が添えられた。ドキっとしつつ、それが何の合図か分かるから、瞼を下ろした。
    唇に温かい温度が重なる。段々深くなって来るのも分かる。
    「んむ……ハァ…」
    心地よくて、ぼんやりしてしまった。
    「…風呂行く」
    「うん」
    「上がったら……どうする?」
    「どう、って…誘ったの彷徨だよ?」
    「どうして欲しい?」
    そのニヤっとする顔、昔から変わってないよね。
    「構ってくれる?」
    「もう、泊まれば?イヴ、だし?」
    「そっかお泊まりしてーそのまま明日彷徨の誕生日だもんね!ありかなー」
    「もっと抵抗するかと思いきや…成長したじゃん」
    「ふふーん!まあねー早く上がって来てよね~」
    「おまえより倍早く上がりますんで」
    なんてやり取りして、今日はそのままお泊まりデート。お風呂から上がった彷徨がすぐわたしを抱き上げて布団に移動して。その後どうしたかは皆さんの想像通りって事にして下さいね!

    END
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    ☺
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works