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    saisabanna

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    saisabanna

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    この小説の🌳✨小話

    ライフ・イズ・ビューティフルアラマキは自宅の使い古したベッドに寝転がり天井を見つめていた
    「おれ本当にボルサリーノと付き合えたんだ……」
    ボルサリーノの嬉し泣きを思い出しては、幸せすぎる現実を噛み締める
    ベッドにうつ伏せになる、そして
    「おれ付き合えたんだ……」
    噛み締める、現実を再度噛み締める
    今日は休日、特に予定もなく家で寝っ転がり、怠惰に飯を食い昼寝したりするだけだ
    「会いてぇ……」
    ボルサリーノに会いたい、だが贅沢は言えない、ここからが大事だ
    付き合えたからと言って浮き足立ってはダメだ、いやちょっと浮き足立った...2人で記念写真とか撮ったし...思い出に...
    いやそんな事いい!せめて夜は空いてるだろうか夕食だけでも一緒に出来ねぇかな
    昼になったら電伝虫を使うか否か……いきなりそういう事されると嫌だったりすんのかな
    「あ"〜」
    確実に浮かれてる、それはわかってる……わかってるけどよぉ〜!!!
    その時電伝虫が鳴った、アラマキは飛び起きて電伝虫をとる
    「もしもし?」
    『オ〜アラマキィ、良かった良かったァ繋がった、はい君、教えてくれてありがとねェ下がっていいよ』
    向こうで部下らしき男が返事して出ていくのが音でわかる
    「ボルサリーノ?」
    『ン〜、ごめんねェ…電伝虫の使い方教えて貰ってたんだよォ』
    「それはわかるけどよ、どうしたんだよ急に電伝虫なんかかけてきてよ」
    『君の声が聞きたくなったんだよォ』
    「えっ!!!!」
    『嘘だけどォ』
    「えぇ〜…」
    電話の向こうでくつくつと笑う声が聞こえる
    『はは、ごめんごめん、からかっただけだよォ、本題なんだけどォ』
    「おう」
    『今日の夜わっしの家でご飯でもどうだい?』
    アラマキは一瞬時が止まった
    『アラマキ?』
    電話の向こうでボルサリーノが困惑している
    「え、いいのかよ…仕事で疲れてるだろ?」
    本当はめちゃくちゃ行きたい0.1秒で「行く!」と返事したいところをグッと堪える
    『良いよォ、わっしが会いてぇから呼んでんだからねェ』
    「マジで!?」
    『今嘘ついて何の得があるんだい?』
    「いや!嬉しいだろ!?恋人が会いたいってよ……!確認したくもなるだろ?!」
    『そう言うもんかねェ』
    「とにかく行く!ぜってぇ行く!」
    『はいはい、ありがとねェ…もう仕事に戻るから、それじゃあね』
    別れも言えずに、ガチャっと切られて、アラマキは少し寂しかったが、それ以上に嬉しすぎる
    ボルサリーノがおれに、会いたいと思っている事が嬉しすぎる、土産は何にしようか、花も持っていこう…それから

    あれこれと考えたり買いに行くうちに、すっかり夜になった、着古した上着に黒のTシャツ、上を着ろとボルサリーノに口酸っぱく言われてるので適当な服を見繕う、いや別に常時着てないわけじゃないとボルサリーノにも言ったが、見てる限り大概着てないと言われてぐうの音も出なかった
    足取り軽く口笛を吹きながらボルサリーノの家の前まで来た、チャイムを押すと直ぐに扉が開いた
    「いらっしゃい」
    いつものスーツの上着だけ脱ぎ、ワイシャツのボルサリーノが出迎える
    「これ土産、それと……」
    ボルサリーノに花束を渡す、立派なひまわりの花束
    「オ〜、ひまわり…綺麗だねェ」
    「あんたにピッタリだ」
    「いつもありがとうねェ〜」
    「礼は言わなくていいぜ、おれァあんたに会いてぇだけだ」
    「はは、素直でよろしい」
    ニコニコと笑うボルサリーノにアラマキは心の底から喜びが湧き上がるのがわかる
    おれの行動や言葉で、ボルサリーノはこんなに喜んでくれる、めちゃくちゃ愛されてる証拠だろ!
    心の中でニヤつくなと念じながらリビングに入り、用意してあった食事を食べながら酒も楽しむ
    いい気分なアラマキは必死に取り繕っていたと言うのに本音をペラペラと話してしまう
    「おれァさ、今日あんたに会いてぇって思ってよ...電伝虫かけようかどうか迷ってたらさ、あんたから電伝虫かかってきて、めちゃくちゃ嬉しかったんだぜ!?」
    「そうなのかい?毎日仕事で会ってるだろォ?」
    「仕事は仕事中だからさ...なんか違ぇだろ?...おれァもっとあんたと...恋人のあんたと居たいんだよなぁ〜、いやまぁ難しいのはわかってるけどよ...あ、無理させてぇ訳じゃなくてよ...」
    「じゃあ一緒に住むかい?」
    「一緒に住む?そんな夢みたいな............一緒に住む!?」
    「一緒にこの家に住んだら、もっと長く居れるよォ?」
    「いやっ!え!?はぁ!?一緒に住むって言ったのかよ!?」
    「そうだってェ」
    「い、...そん.........良いのかよ!?」
    「わっしは構わねぇけどォ、アラマキが嫌なら...」
    「嫌じゃねぇ!!!全っ然!!嫌じゃねぇ!!!嬉しすぎる!!!現実か!?」
    「現実だよォ、アラマキくん」
    ボルサリーノにやわく頬を引っ張られ、現実を実感する、酔いすら覚める
    「まじかよ!!!!らははは!!めちゃくちゃ嬉しい!!!!ボルサリーノ!!!」
    急に立ち上がりボルサリーノを抱きしめるアラマキをどうどうと擦りながら、ボルサリーノも笑う
    「おっとっとォ、こらこら...はは、そんなにはしゃいで...まったく」
    アラマキの胸に耳を寄せればうるさいくらいの心音が聞こえてくる
    「君と居ると癒されるよォ」
    「ん?...あー、フィトセラピーってやつかな」
    「そうかもねェ......ん...?オ〜...アラマキ、また勝手に咲いてるよォ」
    アラマキ背中に回されたボルサリーノの手が何かを掴む
    「お?なんだろうな」
    いとも簡単に摘み取り眼前へと持ってくる
    「こりゃァ...」
    「らはは!これはこうやって使うんだぜ?本に書いてあった」
    アラマキはボルサリーノの手からそれを取ると2人の頭の上に掲げる
    「はぁ全く.........」
    少し赤い顔のボルサリーノにアラマキはそっと口付けた


    数日後アラマキは荷物を持ってボルサリーノの家へ引っ越してきた
    「まぁ物はすくねぇから、安心してくれよ」
    「別に多くたって構わないけどねェ」
    空き部屋へと荷物を運ぶ
    「ベッドは使い古しで壊れかけてたから買い直す事にした、まぁ今日は適当になんかひいて寝るから」
    「オ〜そうかい、一緒に寝るのかと思ってたよォ」
    「いやそれはボルサリーノがいや......まっ......待て待て待て!ボルサリーノ今なんて言ったんだよ!」
    「寝室は一緒かと思ってたよォ」
    「......い......一緒に寝ても...?」
    「良いよォ?君と寝た方が寝つきがいいしィ」
    アラマキは膝から崩れ落ちる
    まさか、ここまでとは...ボルサリーノが...!ボルサリーノがここまで可愛い人間だと...誰が予測できる、もはや心配になるレベルだった
    「ありがとう...」
    「騒がしい奴だねェ...なんで感謝してんだァ?ほらさっさと立ちなよォ、寝室に案内するからァ」
    「わかった」
    アラマキは心の中でまた感謝してボルサリーノに素直について行く
    ボルサリーノが寝室の扉を開く
    「おお...」
    アラマキでもゆったり寝ころべる大きなベッドと...
    「これ...ドライフラワーか?」
    窓際の棚にドライフラワーが飾ってあった
    「君がドーンと寝っ転がっても大丈夫なベッドを買ったよォ、ドライフラワーは君に貰った花だねェ、1輪づつ保存して丁度いい量になったからまとめて花瓶にさして置いてるんだよォ」
    「......ドライフラワー作るの趣味だったのか?」
    「いやァ?君に貰って勿体なかったから、ドライフラワーの作り方覚えただけだよォ?」
    アラマキは卒倒しそうだった、なんだそれ
    「あんた可愛すぎるだろ...」
    ボルサリーノは、片眉を上げて首を傾げる
    「他に保存方法がねぇだろォ?」
    いやそうじゃなくて...この人マジで何なんだよ...!!!!!
    「幸せ者だな...おれァ...」
    「わっしと、いい勝負だよォ」
    あ!とボルサリーノが声を上げる
    「この間撮った写真現像できたんだよォ」
    ピラッと胸ポケットから写真を取り出す、そこには明らかに有頂天な俺と落ち着いてるボルサリーノ
    「俺が浮かれてる以外、いい写真だな」
    「可愛く写ってて良いじゃねぇかァ、写真立てに飾ろうかァ」
    ボルサリーノが玄関へと歩き出す、アラマキは思い出していた、靴箱の上の伏せられた写真立てを、少しだけ重くなりそうな足取りに鞭打って自分を取り戻す
    今更何がこようと怖くなどない、おれはおれ最初にそう決めたはずだ
    玄関で靴箱の上の写真立てにボルサリーノが触れる、心臓が加速していく
    パッと立て直された写真立ての中には何も無かった、ボルサリーノが慣れた手つきで写真を入れる
    「...ピッタリだねェ〜、さぁもうひと頑張りしたら昼ご飯にしようかァ」
    「あぁ」
    アラマキはそっと手に咲いたシオンを握って隠した
    花言葉は追憶.....そこに居たのだろう、ボルサリーノが長く悼んだ誰かが、しかしもうそこには誰もいない、ボルサリーノは前を向けたのかもしれない...そして俺を愛してくれた、ボルサリーノは大切な思い出として、心の隅に置きながら歩くのかもしれない、ならおれもそこに居た誰かを忘れないだろう
    誰かが幸せにできなかった分おれがボルサリーノを幸せにする
    「ボルサリーノ」
    「ん〜?」
    「おれァ毎日あんたを幸せにするよ」
    「なんだい?改まって...まぁ楽しみにしておくよォ」
    微笑むボルサリーノをアラマキは愛おしそうに優しく抱きしめた
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