バスターさんが黒心の大事にしているぬいぐるみを直してあげる話。バスターさんが黒心の部屋の掃除をしてあげていた時。
できるだけ見えないような位置に置かれている、少し型の古い、抱きついて眠れるような少し大きめの黄色のネッシーのぬいぐるみを見つけた。
だがネッシーは薄汚れており、少しクタッとしていた。
「おや…これは…?」とバスターさんが眺めていると黒心が入ってきて
「…!おい…バスター……。」
ネッシーのぬいぐるみを見ているバスターさんをみて少し焦った表情を見せる黒心。
「…嗚呼、すまないね。掃除の途中だったんだ、このネッシーは…?」とバスターさんが尋ねると黒心は答えずらそうに唸った。
その様子を見て、これは黒心が大事にしているぬいぐるみなんだなと察したバスターさんは
「…なるほど?落ちていて…可哀想だと思ったからから拾ってきのか?」
と聞くと、黒心はハッとした表情を見せながら
「そ…そうだ!!」と答えた。
黒心はわかりやすいな…と思いながらもバスターさんは黒心を見つめながら優しい表情をみせて
「…そうか。黒心は優しいな。……、汚れた状態では可哀想だな?私が綺麗にしてやろう。」
そういってバスターさんはぬいぐるみ用の綿を買ってきて、ぬいぐるみの洗い方を調べては丁寧に洗ってやり、縫い目を切って古い綿を出して新しい綿をつめてあげ、慣れた手つきで縫い直し、破れている箇所は黒心カラーの布で塞いでやり、キレイでふわふわなネッシーに蘇った。
「ほら、黒心」といって黒心に手渡してあげるバスターさん。
それを受け取った黒心は一瞬、嬉しそうに目を見開くもすぐ冷静になったのかキリッとした目になりながら
「……ふん、感謝くらいはしておいてやる。」
そう言いながらもネッシーを大事そうにギュッと抱える黒心。
その姿が愛おしくて堪らないバスターさんはにやけ顔を抑えきれないながらも
「…ふ、大事にしてあげたまえ。」と、あくまで黒心の所有物ではないという認識を持っているかのような口調で謝意を受け取るバスターさん。
その日の夜、黒心はそのネッシーを抱いて寝ていると、フワッとバスターさんから香る甘い匂いがするのを感じた。
実はバスターさんが、つめる綿に自分の香水をかけていて、それがネッシーから香っていた。
やられた……と思いながらも、隣で一緒に寝ているバスターさんを見ながら擦り寄り、大事にネッシーを抱えて眠りについた。