例の部屋「相手を殺さないと出られない部屋」
「…。」
「…。」
気付いたら真っ白の何も無い部屋にいたバラムとカルエゴは、ふたりで壁に書いてある文字を眺めていた。
「……ナニコレ」
「…とりあえず、出るか。ケルベロビュート!!」
しばらく後におもむろに、カルエゴがケルベロスを呼び出し、あらん限りの力で壁を攻撃する。だが、壁に入ったように見えた亀裂はすぐに元に戻り、次の瞬間その壁から、先ほど放ったケルベロビュートがカルエゴに向けてほとばしってきた。
「カルエゴくん!?」
「ちっ!跳ね返すのか!」
不意を突かれたものの、すんでのところでその自分自身が放った攻撃の反射を避けたカルエゴは、瞬時に状況を理解した。
「これは…」
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