大胸筋サポーターなるものがある。
警視正と立会人の二足の草鞋を履くようになり、鈍っていた体が叩き直された結果、体格が一回りほど大きくなった。
どうやら詰まるように筋肉がつくのではなく外側に筋肉がつくタイプだったらしい。
今更成長期などと笑えないが立会人である以上身体が資本なために増量はやむを得ず、特注のジャケットを買い直すことになった。
そういったわけで、南方恭次は少し前の彼より大幅に増強した胸筋を備えることになったのである。
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話は変わるが、女性のバストアップに筋トレが推奨されるように、筋肉は力を入れていない時には柔らかい物質である。
手足や体幹の筋肉は基本的に動作下にあるので柔らかさを感じることはないが、胸筋は話が違う。
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