ポッキーの日【ポッキーの日】
昼休みの屋上は、僕と司くんだけの貸切状態。ゼリー飲料をさっさと飲み込んで僕は作りかけの機械をひたすら弄っていた。黙々と僕の隣で司くんがお弁当を食べている。静かな屋上には、風の音と校庭ではしゃぐ学生の声が聞こえるくらいだった。遠くから消防車のサイレンが小さく聞こえる。何かあったのかな、なんてぼんやり思いながらネジを外した。カラン、と床にまとめて置けば少しだけコロコロと回る。
「ご馳走様でした」
司くんが丁寧に手を合わせてそう呟いた。どうやら食べ終わったようだ。片付ける音が聞こえてくる。そちらは向かずに僕は機械の蓋を外した。中にはコードやパネルなど沢山詰まっている。それを慎重に指で退けて、置くから細いコードを引っ張った。その先にあるパネルにドライバーを向ける。
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