一朔一(腐向け文章) 朔ちゃんが最近えろい。
してる時の仕草というか、行動が。してくれる事がいちいち艶っぽくて、俺はいちいちそれに翻弄されてる。
「まったく、どこでそんな事覚えたんだか……」
いいとこのお坊ちゃんの癖に……そう呟くと朔ちゃんは眉を寄せて俺の髪を引っ張った。
「いっ でででででいたいいたい朔ちゃん抜ける! 抜けるから」
「……帰れ」
俺の髪から手を離した朔ちゃんは、ぽつりと言う。
「え」
どうも機嫌を損ねてしまったらしく、朔ちゃんは先ほど脱いだばかりの服を再び着出した。
俺はどこが地雷だったのか分からず、上半身裸の状態でただただ狼狽していた。
「えっ朔ちゃん 何? 俺なんか悪い事言った」
素早く身なりを整えた朔ちゃんは、そこらに脱ぎ捨てた俺の服ごとぐいぐいと体を押してきた。
押された先は玄関のドア。
「ちょ、ホントマジで何 訳分かんないんだけど!」
扉を開け、無言で背中を蹴られ、扉の外に追いやられる。
その勢いで尻餅をついてしまった。痛い。
「……僕は今まで、こんな事だってした事なかったし、お前とが初めてだ。今だってお前としかしてない」
帰れと言われてから、決して合わせて貰えなかった目線が、自分にやっと向けられた。
「他の誰に教え込まれたと思ってるんだ、死ね」
ど低い声音と同時に閉じられる部屋の扉。
その扉の前で座り込んだ俺は、言葉の意味を考え、噛み砕く。
それって、つまり
全部、俺が 俺のせいで 朔ちゃんのそれは
結論にたどり着いた瞬間、体温が上がる。
同時に、締め出しをくらった扉の向こうの人物への愛しさがこみ上げた。
あぁくそ、嬉しいと、可愛いと思ってしまう自分の立場は本当に弱い。
とりあえず、今から誠心誠意謝って、扉を開けて貰おう。
例え一度締め出されたのを開けて貰うのが、そう簡単にはいかない事を知っていても。