星は再び生まれる これは、なすすべもなく消え去った恋の話。よくある、本当によくある、同級生への淡い恋と、失恋のお話。
いつも通り、グラウンドでランニングをしている時間帯だった。ストレッチと簡単なボレーラリーで体を慣らしたら、二列に並んで声を出しながらランニング。中学から続けて入ったテニス部で、エースというわけでもとりわけ熱心というわけでもなかったけれど、それなりに頑張りたいとは思っていた。さぼるのは性分が許さなかったしランニングが嫌いってわけじゃない、少し退屈なだけだ。それに。
――窓から外を眺める、逆立った髪の毛。その視線の先にはクラスメートの大木くんと杠。幼馴染の一世一代の告白、を眺めているのだろうか。
今日は彼を見ることができたから、ただのランニングが少しだけ、いつもより楽しい時間になった。恋する乙女、こんなもんだ。
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