夏至 アイスクリームのストロベリー味が好きだ。事務所で貰う差し入れでたまたま食べる機会があり、それからすっかりハマってしまった。ほどよい甘さと酸味がみずみずしい。
スーパーに売っているカップアイスもいいが、路面店のアイスクリーム屋で買うものは格別だった。世間では「自分へのご褒美」なんてものが流行っているらしいが、俺にとってはこれかもしれない。ほんの少しの無駄使い、ほんの少しの贅沢。コーンで頼んでしまえば、店から家に帰るまでの間に食べ切れるので、証拠隠滅も早い。
何から隠すのか――そんなの、わかりきっている。アイツだ。
漣は食べ物への執着がすごい。うまそうな匂いを嗅げば臆せず店に入っていくし、遠慮というものを知らないからブッフェ形式のパーティでも全てを食べようとする。
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