所有印長年ほかのS級達が攻略出来ず四苦八苦していたが、たかが昆虫型…悪魔城の主バランより弱いと旬は考えていた、その驕りが命取りだった
「ぁ…?」
旬の予想通り戦闘に特化されたアリは旬にしてみれば弱かった。
圧倒的な力と差でねじ伏せ追い詰め、必死に対抗してくるアリとの攻防を密かに愉しんでいた。
そんな中不意に食らった一撃が全ての結末を崩した
幾らシステムの恩恵で無効化出来るが、今まで受けてきた呪いや毒よりも相当強力だったのか、恩恵の発動に数秒時間を要した。
一撃をもらい、毒が神経を侵す痛みにびくりと体が硬直した僅かな数秒を急死のアリは見逃さなかった
「っ…がっ、」
アリの口から出た赤い管が旬の首に何重にもまわり、棘が首に突き刺さり毒を送り込まれる
解呪されてはまた毒に侵される、その繰り返しに体が硬直から抜け出せず身動きが取れなくなる
この状況を打破されてしまえば確実に終わると理解しているのか、次々と休む暇なく毒生成しそれを流し込まれシステムの解呪が遅れる、旬の首を中心にじわじわとまるで彼岸花の様に赤い花が広がっていく
「はっ……く、そ」
首に巻き付く管をちぎろうと腕を持ち上げるが、力が入り切らず、重力に従いだらりと落ちる。
握っていた短剣の柄も指からすり落ち、軽い音をたて足元に転がる
システムの恩恵ならば、と慢心していたのも仇となった…抵抗するには遅すぎた
全身か脱力し地面に倒れても可笑しくないが、アリの長く伸びた手が、胴体から生えた細い脚が体に巻き付き支えられ、逃げられない