繁栄「あ、あがっ…はっ…べ、る…」
とまれ…息も絶え絶えに命令するが、聞こえていないのかずるずると影の中に引き摺られる
床に爪をたてるが、神経毒に侵され痺れた指先では爪が軽い音を奏でるだけだった
河南島で一度だけ切り札として出された毒は影として抽出しても残っていたらしく、なぜか主君であるはずの旬の首に巻き付き絶えず毒を流し込まれる
「なぜ…?疑問ばかりが溢れ埋め尽くされる」
ベルの鋭く長い爪先は人の様に爪先は丸く短くなったが、しっかりと旬の体を掻き抱き腹脚がシャツの間を潜り直に旬の肌を確かめるようになであげる
「ふっ、う……」
脱力し無防備に晒されているうなじをベルは顔を寄せ、食み味わうかのようにゾリゾリと無数のブラシで削り舐められ、未知の感覚に身悶える
「べるっ…いいかげんにっつ゛ぁぁっ」
ベルの暴挙を止める為に身をよじれば、傷つけまいと開いていたベルのキバが旬の首を力の限り締め付け急な痛みで体が硬直し抵抗を諦める
「王…王…申し訳ありません…」
どうか私との子を孕んでください