ずっと、わからなかったのに。.....
何度一緒に溶けたあとだっただろうか。
お互いの腕の中で微睡むような、そんな頃合いだった。
「ねぇ、ユーヤさん」
ふいにおもむろに名前を呼ばれ、ぼぅ…と意識を浮上させるとあいつは俺の頬を撫でて言った。
「 、って言って」
「“ ”。……?」
そうこの距離だから聞こえるささめき声に、起き抜けで、それ以外の理由もあった気はするが…あいつにしか聞こえない声でオウム返しに言うと「ふふ、」と小さな笑い声をもらし顔を俺の首筋に埋めてきたのでそのまま頭を抱きしめてやった。
「スコッチ、眠い」
「ごめんなさいユーヤさん、おやすみなさい」
とても眠かったから少し浮上した意識は優しい声を聞きながらすぐに落ちていった。
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