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    タマシュナ、臍ネタ
    くらーい2人
    母体回帰願望ちっくなジャミル
    18歳以下は閲覧をお控えください

    この悲しい夜を咎め給ふなこの悲しい夜を咎め給ふな

     掴んだ腰の皮膚が汗ばんでぬめる。
     律動的に腰を打ち付けると、潤んで充血した腸内がきゅう、とペニスを絞め付けた。

     乾いた気候の街の、ホテルの乾いた空調の中で、そんなこともお構いなしに俺たちは汗ばんだ夜を過ごしている。

     度重なる絶頂で緊張状態から降りられないカリムの胎内は隘路を狭め、迫り来るきつく大きい快感に備えていた。俺のペニスがそこを穿ち、いいところを掠めさせるたびに、ひく、ひくん、と大げさに収縮する。

     じっくりと愛撫を施され、大きく、ちいさく達することを繰り返して、戻れない波に吞まれ溺れるカリム。
     追い打ちをかけるように前立腺を狙い、内側から擦りつけて、残酷なくらいの深い快楽に落とし込む。

    「ッ、ぁ、う゛ゥ――!」

     祭りの後の、体内を渦巻くような高揚感。

     今日が終わってほしくない、この感動をずっと分かち合っていたい。たぶん、誰もが持っている感覚。


     その感覚を共有するには俺たちはあまりに自然で、それ以外にはありえない位置にいる者同士だった。


     すっかり抱きなれて、触れたことのない場所なんて一ミリもないカリムの身体を抱き、支えなおす。

     そうしてペニスで強く前立腺をごり、ごりと掘りあてると、目をぎゅうと瞑ったカリムは喉元を絞るような嬌声をあげて、やがて彼のペニスの鈴口からはとろ、とろと白濁した液が押し出された。

    「あっ、う、、あ、」

     俺の動きに連動して噴き出る、どろどろの、マグマみたいな精液。腹に垂れ広がる、深く、熱い絶頂の様子に脳が茹っていく。

     蠕動し射精を促すその胎内に欲望のままペニスを強く打ち付け、その勢いのまま引き抜くと、俺は被さるように腹にその欲望をびゅうびゅうと吐き出した。
     


     はぁ、はぁと荒い息のまま、幾分か冷静さを取り戻した頭で、改めてカリムを見やる。


     カリムもまた頬を赤く染めながら、はぁ、はぁと肩で息を切らせ、目を瞑りながら、なおも巡る快感に酔いしれていた。

     忙しなく上下する腹の窪みに精液が流れ集まり、まあるい湖が溜まっていく。



     その様子を眺めながら俺は、抱き合うには俺たちは互いのいろんな表情を知りすぎているんだ、と思い当たった。

     

     赤らんで苦しそうな呼吸を繰り返すカリムの表情は、命を狙われ病床で魘されていた、あの日々を想起させる。
     酸素を取り込むべく、大きくうねる腹の中には、幾度も毒に侵され、生き延びるために懸命に働き続けた臓腑が詰まっていた。


     ここにカリムがいること、それ自体が奇跡に思えてならない夜が、俺にはたびたびある。


     臍の窪みには二人分の精液がたゆたい、ランプの光を受けてわずかにさざめきたった。

     人が生まれ落ちること、それ自体がたぶん、ちいさな奇跡だ。

     この窪みに沈む、まるい形の臍を思う。その穴は遠い昔に、カリムが誰かと繋がって、生きた糧をもらった証だ。

     時を経て成長し、その糧を与える役目を俺が担っている、カリムは一人では生きられない。きっと誰もがそう思っているだろうし、俺も普段はそう思いながら世話をしている。


     でも、それは違うのだ。

     奇跡に感じ入って泣きたくなるような、こんな夜は特にそれを痛感する。


     俺がカリムと繋がって、生きる糧を貰っている。
     きっと、カリムを腹に宿し育てた奥様も、そう思う日があったんじゃないだろうか。

     カリムが俺を信じ、頼って、愛してくれる、それこそが俺を支え生かし続ける。
     いつまで続くのかもわからない、きっと永遠には在り得ないそんな縁にたよって、俺は生きている。



     いつからカリムを愛していたのかなんて、俺たちがこんな思いを互いに抱いていたかなんて、もう思い出せない。ウィンターホリデーを経て、俺たちはずっと昔から隣にあった、とても馴染みのある、いちばん険しい道を選んだ。

     きっとこんな愛し方を知らなければ、波風もない穏やかな人生を送れた。でも俺たちはそうは出来なかった。消せない瑕疵をいくつも刻んで、幸福を悼み、悔やみ続ける道を選び取った。もう、それしかなかった。それしか、人生に欲しいものはなかったのだ。


     ナイトレイブン・カレッジに在学できる、この限られた時間の中で、俺たちはあと幾つ幸せを積めるのだろう。


     息のととのったカリムが、薄く目を開き幸福そうに眼を細めて俺を見る。
     整った人差し指が腹部を這い、やがてその爪が体液に浸り沈んだ。

    「ふふ。いっぱい、出たな……」

     指が腹をなぞって、濡れたそれが褐色の肌に薄く伸ばし塗られる。淫靡なその光景に俺はたまらなくなる。

     寝そべるカリムにゆっくりと覆いかぶさり、口づける。疲れ切って弛緩した腕が、それでも俺を許し抱きしめ返してくれた。もう一度、俺が欲しいままに愛することを許してほしい。俺の生きる意味を与えてほしい。


     きっと俺たちの繋がりは、断ち切られなくなるものだ。

     それが切れても、俺たちは恐らく生きてしまうのだ。悲しいけれども、胎の中から生まれ出たときにそうであったように。

     そうしてきっと、俺にもカリムにも大きな窪みが残る。愛おしく、大切な、幸福な記憶を湛えた、窪みが。

     どうかそれを俺に刻んでほしい。
     どうかこの夜に、生涯それを抱え、生きてゆくためのそれを、俺に与えてほしかった。

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    Haruto9000

    DONE「クー・フーリンが女性だったら」妄想。
    ※FGO第1部のみの情報で書いていたので、設定ズレなどはご容赦ください。

    【あらすじ】
    影の国での修行を終え、アルスター国に戻ってきたクー・フーリン。
    ところが、国の内情は穏やかではなかった。上王が殺され、アイルランド中が混乱しているという。
    さらに、エメル姫が、タラ王と結婚する話が持ち上がったというのだ。
    ミラーリング #11(英雄の結婚編)再会
    「上王が死んだ……?」
     クー・フーリンは、呆然と幼なじみの言葉を繰り返した。ロイグはうなずく。
    「外遊中、ブリテンの賊に襲われたんだ。噂じゃ、身内の仕業って話もあるが……いずれにせよ、上王も側近たちも殺された」
    「そんな……」
    「次期上王は息子が継ぐことで落ち着くみたいだけど、いかんせんまだ子どもだからな」
     ロイグは大きなため息をついた。
    「おかげで、今アイルランドは大混乱さ。このアルスター国も、コノート国も、マンスター国もレンスター国も。どの王も、次期上王に忠信を捧げるって言ってるけど、みんな腹の底では何を思っているやら」
    「まさか、内乱……」
    「いや、そこまではまだ」
     ロイグは首を振ったが、その表情は曇っていた。クー・フーリンはおずおずと尋ねる。
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