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    yurieanime

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    8/31 オクバデプチ
    『追憶の場で星々の祝福を』
    にて頒布します、オクバデ短編集 サンプル4
    現パロ『死は2人を分かつのか?』
    ほろ酔いのバデーニが、600年前のとあることについてぽつりぽつりと話し出す
    ※初参加のため最小部数で頒布します。お取り置きご希望の方はどなたでもご連絡ください

    #サンプル
    sample
    #オクバデ
    okubade

    死は二人を分かつのか?そうだ、今日は心地いい気温だからと窓を開けて、そのまま知らぬうちに眠ってしまったんだ。夢でのそよ風がやけにリアルに思えたのは、そのせいかと納得する。
     俺を文字通り叩き起したバデーニさんは、なにか特別用があったわけでは無いらしい。最初は俺の胸で頬杖をついていたけれど、首が疲れたのかそれをやめて完全なうつ伏せ状態になった。首の向きを左右どちらにしようかと何度かころころと向きを変え、しっくりくる場所があったのだろう、満足そうに鼻先を沈ませて、ふうと息を吐いた。
    ⋆┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈⋆
    「結構飲みました?珍しいですね、外でこんなに酔うまで飲むなんて」
     金髪から覗く耳殼をそっと撫でると、バデーニさんは少し恥ずかしそうに瞬きをした。
    「付き合い程度だ。君のマヌケな寝顔を見たら、急に回った」
     その言葉を聞いて、ちょっと嬉しくなった。自分の顔を見て気が抜けた結果、酔いが回ったのだとしたら。
     バデーニさんにとって安心する存在になれている、ということだろうか。
    ⋆┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈⋆
    そのまま彼の髪をサラサラと梳かしていると、しばらくされるがままだったバデーニさんが、唐突に、意外な話題を話し出した。
    「六〇〇年前も私たちは『こう』だったんだろうな」
    「え?」
     視線を下げると、彼はどこか眠たげな瞳で俺のポロシャツを指先で弄っている。バデーニさんは癖なのか、眠くなると手元にある布とか服とかで手遊びし始める。小さい子供みたいで可愛らしいと、いつも思う。
    ⋆┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈⋆
    「オクジーくん」
    「は、はい」
     自分の死体処理の話をしたというのに、声色もどこか楽しそうだ。
    「我々は焼かれて一つの灰となって、処理された。私の肉も、君の骨も、まとめてな」
     
     それがどういうことか、分かるか?
    ⋆┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈⋆
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    yurieanime

    MENU8/31 オクバデプチ
    『追憶の場で星々の祝福を』
    にて頒布します、オクバデ短編集 サンプル1
    逃亡if『足音が揃う』
    オクジーくんが審問官を制圧、バデーニさんが手紙を届けたあと合流した逃亡if。
    オク+バデです
    ※初参加のため最小部数で頒布します。お取り置きご希望の方はどなたでもご連絡ください
    足音が揃うびゅう、と風が吹き抜けると、その冷たさに思わず自分を抱き寄せた。

     異端審問官から逃げ仰せて、自由を求める希望の旅……いや、いつ野垂れ死ぬかも分からない地獄の逃亡生活が始まったのは、夏も終わりの頃だった。
     
     
    「バデーニさん」
     耳に染み付いた彼――オクジーくんの声に顔を上げた。
    「大丈夫ですか。どこか痛い?」
    「平気だ。少し疲れただけ」
    「今日はかなり歩きましたからね……。周り見てきました。大丈夫そうです。今日はここで休みましょう」
    「ああ」
     カサカサと枯葉集め、ぱきりと枝を折り、そしてカチカチと火打石を打ち付ける。しばらくするとパチッパチッと乾いた空気が弾ける音、そしてふわりと煙の燻った匂いが漂う。音と匂いで彼が火を起こしているのが分かった。片目を焼かれてから、音や匂いに敏感になったと感じる。この生活になってそれが役立つことも何度かあった。しかし……
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