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    ひじのくぼみ

    @hijinokubomi

    主に父水を書いてます

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    ひじのくぼみ

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    子だくさん父水♀番外編
    ⚠️後天性女体化

    三十五回目の失敗(大成功)「ハハハッ、そろそろかと思ってはいたが。今回もやっぱりか。おめでとう、親父殿、水木殿。」
     通算、三十五回目の砂かけ婆からの知らせ。毎度毎度全く学ばない養父が青くなっている横で「またやってしまったのう。なぁ、水木。」と確信犯の笑みを浮かべる実父。その表情には、知らせにショックを受けて狼狽えている養父はもちろん気づいていない。僕はそんな様子を観察しつつ、卒乳間近の末の妹におやつの蒸しパンをちぎってあげていた。もちもちと頬張る口元についた屑を拭いてあげれば、にっこりと笑ってくれる。可愛いなぁ。可愛い妹や弟が増えていくのはとてもいいことだ。
    「やっぱりでしたか。おめでとうございます。父さん、水木さん。」
    「…俺はまた男に戻れないのか…。」
     むしろまだ諦めてなかったのかと思う。僕が赤ん坊のときより、もう半世紀以上女の体であり、比較すれば男の体だった期間などニ分の一くらいだ。父は水木さんの女体をいたく気に入っており、むこう一世紀はこのままでいいと少し前に言っていたので、そんな父に嫁いでしまったからには、これからも何度も繰り返される光景だろう。
     
     一体いつから確信犯だったのか。水木さんのいないところで、こっそりと尋ねたことがあった。
    「父さん、いつからわざとだったんですか?」
    「はて。なんのことじゃ。」
    「水木さんのことですよ。僕のきょうだい、意図的に作っているんじゃないんですか?」
    「気づいておったか。」
    「いい加減、気づきますよ。それでいつからだったんですか?」
    「さあて、いつじゃったかのう。あぁ、離乳記念とかこつけて天狗の酒に酔わせた時じゃ。」
    「三人目の弟のときですね。割と最初からでしたね。」
    「水木に言ってはならんよ。あれの中ではわしもあれも酔いに酔って失敗したことになっておるからの。」
    「あの、なんでそんな騙し討ちみたいなこと続けてるんですか?素直に自分の子供をもっとたくさん産んでほしいって伝えるのはダメなんですか?学習しないのも悪いとはいえ、毎回毎回男に戻れないと嘆く水木さんがかわいそうです。」
     そう。学ばないのだ。我が養父。男に戻りたいなら父とヤらなければいい。だが、父にしょんぼりされるのが堪えるらしく、いつも流されてからだを許してしまっている。
     そしていくら酒で酔わされたり、一服盛られたり、避妊具に穴を開けられたり、避妊薬をラムネに差し替えられていたりと騙し討ちをくらっていたとしても、こう何度も繰り返されていれば父を疑い、警戒するくらいしそうなものだが。全くしないのが水木さんである。なぜなら彼の中心には惚れた腫れたよりも強力な、絶大な父への信頼と友愛が鎮座している。父を疑うという考えが一欠片もない。
     でもそれにつけ込む父もどうなんだ。それほどまでに愛されていれば、別にこんな卑怯なことをせずとも子どもは産んでくれるだろうし、女体のまま寄り添ってくれるのではないかと思うのだ。
    「いや、あやつは変に男の自覚が強いからの。そんなことをわしが頼めば、ふざけるな他所にあたれと冷たく言い放ってくるのが関の山じゃ。このままいけるところまでいく方が得策じゃ。」
    「そうかなぁ。」
     父も変なところで自信がない。正直に打ち明けたって、いつも水木さんを落としているあのうるうるとした泣き顔を披露すれば、速攻で陥落させることができて万事解決ではと思うのだが。でもまぁ、これは二人の問題だしとそれ以上は触れぬことにしたのだ。それがかれこれ二十年くらい前の話だったであろうか。
     結局何も変わらないまま、あれからも弟と妹は増え続けた。そして今回、めでたく三十五回目の懐妊と相成ったのである。
     
     ちなみに今回は妖怪いやみをけしかけたらしい。「わしにめろめろの水木といちゃいちゃするのはたまらんかったのう。」と聞いてもいないのに感想付きで教えてくれた。当日家を空けていて本当に良かった。
     
     関係を持って、六十年以上。水木さんの女体を保つために、きょうだいが卒乳をするタイミングを狙っては孕ませ続けた父だが、行為をするための細工はしても、特別孕みやすくするような手段はとっていないという。
     人間と幽霊族、種族を超えて相棒となり、母とその胎にいた僕を救い出した父たちは心の相性だけでなく、避妊なしの行為がひとたびあれば子宝を授かれる、からだの相性も抜群の二人なのだ。

     がっくりと肩を落とす水木さんをほくそ笑んだ顔をそのままに慰める父さん。それを生温かい見守る砂かけ婆。何度も見てきた光景を横目に、可愛い妹を僕は抱き上げて、頬擦りした。
    「おめでとう。君もお姉ちゃんになるんだよ。」
     
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    ひじのくぼみ

    PROGRESS奥様と倅と三人で平和に暮らす父がある男と友になる話
    ⚠️父水です
    ⚠️男性妊娠あります
    ⚠️水が子持ち人妻ですが、モブ水ではありません
    ⚠️不貞の共犯者な二人がいます
    未定「さて、ワシも出てみるか」
     朝、仕事に出かける妻を見送り二度寝をしたら、起きた時には太陽は真上に昇っていた。ボリボリと頭を掻きながら居間に行けば、ちゃぶ台の上には握り飯と書き置きがある。鬼太郎は寝こけた自分を放って先に昼飯を食べて友だちと遊びに行ってしまったらしい。この田舎には一週間前に越してきたばかりなのに、よくすぐに友だちができるのものだ。まだ子ども故なのか、類稀なる社交性を妻から受け継いだのか。用意された昼飯を食べて、自分もまだ挨拶できていない仲間を散歩がてら回ろうと家を出た。
    「よう考えたらまだ昼じゃったな」
     妖の仲間に会うなら夜出てくるべきだったと思うが、寝起きでどうも頭が回っていなかったようだ。結局誰に会うこともなく、ブラブラと歩いていると雑木林を見かけた。暑さや寒さには強い体質であるが今日はなんだか日差しが妙に辛く感じる。日陰を求めて迷わずそこへ立ち寄った。涼しい風が抜けていくまばらに生えた木の間を通っていくと、徐々に太陽に焦がされた皮膚が冷えてきて心地よい。ここのように少し暗い場所なら妖たちにも会えるかもしれんと、足取り軽く歩いていればある大木が目に入った。その大木の周りには他の木はほとんど生えておらず、一本だけまるで隔離されているようだった。
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    ひじのくぼみ

    PROGRESS麻酔科医×医大生パロの父水♀
    完成したらちんどんさんに捧げたい
    ⚠️どっちも人間
    ⚠️この後父に水をNTRされるモブ彼氏あり
    ⚠️書き手は医学部じゃないので、細かいところは目をつぶって…
    未定 夢だろうか……。
     自分と手を繋いで歩く一目惚れの相手を見下ろす。十分前までは二度と話すどころか、見ることさえ叶わないと思っていた相手である。
     昨日、水木と引き離された後、すぐに呼び出しがあった。呆れ顔の医長に「立派なセクハラだよ」と叱られ、指導医は解任、二度と水木に接触しないようにと厳命された。なんと世知辛い。ただ出会ったのが指導医と学生の関係というだっただけなのに。
     さらに辛いことには、この気持ちが水木本人に全く伝わっていなかったことである。確かに上手く話かけられてない自覚はあったが、まさか嫌われていると思われていたとは……。学生課に訴えられたということは、怖がらせてもしまったのだろう。
     絶望的すぎる人生二度目の恋の行方に、昨晩は一人息子の鬼太郎が寝た後ひとり泣き明かした。なんとか今日も仕事には来たが、彼女に会うことはもちろんできないし、学生がオペ室に見学に来ている間は隠れていろと医局に閉じ込められて、姿を見ることもダメなのかとまた涙が出た。
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