未定 夢だろうか……。
自分と手を繋いで歩く一目惚れの相手を見下ろす。十分前までは二度と話すどころか、見ることさえ叶わないと思っていた相手である。
昨日、水木と引き離された後、すぐに呼び出しがあった。呆れ顔の医長に「立派なセクハラだよ」と叱られ、指導医は解任、二度と水木に接触しないようにと厳命された。なんと世知辛い。ただ出会ったのが指導医と学生の関係というだっただけなのに。
さらに辛いことには、この気持ちが水木本人に全く伝わっていなかったことである。確かに上手く話かけられてない自覚はあったが、まさか嫌われていると思われていたとは……。学生課に訴えられたということは、怖がらせてもしまったのだろう。
絶望的すぎる人生二度目の恋の行方に、昨晩は一人息子の鬼太郎が寝た後ひとり泣き明かした。なんとか今日も仕事には来たが、彼女に会うことはもちろんできないし、学生がオペ室に見学に来ている間は隠れていろと医局に閉じ込められて、姿を見ることもダメなのかとまた涙が出た。
出会ってたった二日、まともに話せもしなかったが本当に好きだった。可愛いあの子が自分だけに微笑みかけてくれたらなとずっと思っていたが、もう結ばれることはないのだと思うと悲しくて。今日、鬼太郎は自分の古くからの友達の元に泊まりに行っていて、家に帰っても一人だ。今晩ひとりになるのはキツイ。馴染みの店で一杯呑んで帰るかと思っていたところに、水木が通りかかったのだ。
医長の命令など頭からすっかり抜け落ちて思わず呼び止めたのだが、意外にも水木は泣き腫らした自分に優しくしてくれて、一緒に食事に行ってくれるとまで言ってくれた。気の変わらぬうちにと連れ出した勢いで握ってしまった手は、最初は拒否されたが、それに落ち込んでみせると水木の方から強く握り直してきた。(……この子はこういうのに弱いのじゃろうか。もしかするとこの方向で押せば、イケる、かもしれん)
浮かれきって歩く道中、今まで別段に心動いたこともない構内の街灯が、昔、妻と歩いた某テーマパークばりにロマンティックに思えてくる。元々行くつもりだった小料理屋に電話をかけて、同僚・上司の存在なしを確認しカウンター二席を押さえた。店まで十五分ほど。手はしっかりと繋いだまま二人並んで歩く。
横並びで話をすると身長差があるので、水木は自然とこちらを見上げるような格好になる。それがまた………。
「本当にかっわゆいのう、お主」
「やめろ!っじゃない、やめてください」
「言い直さんで良いぞ。敬語も使うな。ワシしかおらんのじゃから」
「さすがにそういうわけには」
「ワシがお主に普段通りの話し方をしてほしいんじゃ」
ダメだろうかと先ほどのように眉を下げて請えば、水木は「うっ」と唸る。少し考える素振りしたあと、ため息をついて口を開いた。
「じゃあ、……お言葉に甘えて、……そうする」
心の中でニンマリする。やはりこの子はこういうのに弱い。
「言っとくけど、あんまり可愛い喋り方してないぞ。自分のことは基本『俺』呼びだし」
急に俯いてしまったので、何かと思えばそんなことをボソリと言う。可愛い。可愛すぎるんじゃが。
「良い良い。威勢があって良いではないか」
「……そっか」
できるだけからかいの色が出ないように伝えれば、ほっとしたようにまたこちらを見上げてくれた。
「そういえば、水木はいくつになるんじゃ?」
「歳?今年で二十三」
「現役で入ったのか!?賢いのう」
「先生は?浪人したの?」
「いや、現役じゃ」
「なんだよ」
ケラケラと笑う顔の可愛いこと。そうじゃ。ずっとこんな姿が見てみたかったんじゃ。
「歳は?いくつなの?」
「……三十六じゃ。ジジイですまんのう」
「見た目はもう少し若く見えるぜ」
「無理に慰めんでも良いわ」
「ほんとだって。拗ねんなよ。あ、大学は?どこだったの?」
「お主と一緒じゃ」
「ここなの?まじで先輩なんだ」
「そうじゃ。テニサーじゃった」
「意外すぎるな」
「勧誘の日にタダ飯食って以降一回も行っとらんが」
「幽霊か」
「幽霊じゃ」
まともに話すのはこれが初めてにも関わらず紡ぐ会話のテンポが心地いい。夢中になっていると気がつけば目的地に着いていた。暖簾をくぐって引き戸を開ける。
「いらっしゃい」
店主の声が響くこじんまりとした店内にひとりだけ先客がいた。手前のカウンター席に座った腐れ縁の男はこちらを見て嫌そうな顔をする。
「ゲゲ!旦那じゃねえかよ」
「なんじゃ、ねずみの。きておったのか」
「ねずみの?」
きょとんとした顔をした水木の存在を確認した先客はニヤリといやらしい表情でからかってきた。
「こりゃあ随分可愛らしい彼女じゃないですか。いつから?旦那もやっぱり隅に置けないねえ」
「いや、俺は彼女とかじゃなくて」
当たり前だが水木はすぐに否定しようとする。それに傷つきながらも被せるように男に向けて告げる。
「ねずみの!今すぐ帰るなら今日の勘定全部持ってやる」
今詮索されてはとにかく面倒だ。それに、邪魔者を挟まずできれば二人きりで過ごしたい。現金な男は「それじゃあありがたく」と揉み手をしてあっという間に出て行った。ため息をついて、苦笑いをする店主を見る。
「ということで、あやつの分はワシが払う」
「へい、かしこまり。それじゃあ、お二人さんは奥の席にどうぞ。にしても本当に可愛い彼女さんですね、先生」
「あの、俺は彼女じゃないです」
「手繋いでるのに?」
「あっ!」
ハッと自分の手を見た水木は思い切り繋いでいた手を振り解き、こちらと距離を取った。寂しいのう。
「これは、あの、本当に違くて」
真っ赤な顔で否定する水木に、「はいはい」と笑いながら店主はおしぼりを席の前に置いた。
「まあまあ。あとで聞くから取り敢えず座ってよ」
「ほれ、水木。奥でいいかのう」
「……うん」
椅子を引いてやれば、水木は俯いたままであるが素直に席に着いた。
「ここは上手い日本酒をたくさん入れておるんじゃが、取り敢えずその前にビールでも飲むか」
「うん。ビール飲みたい」
「グラスにしとくか?」
「うん」
「では、生をグラスで二つ。その後におすすめの酒を何種類か頼む。つまみも適当に」
「はいよ」
すぐに出されたグラスビールを掲げる。
「では乾杯じゃ」
「はい、乾杯。いただきます」
カチンと合わせた次の瞬間、あっという間にグラスの中身が小さな身体に吸い込まれていって目を見開いた。
「お主、いい飲みっぷりじゃのう」
「なんか状況的に酔わないと我に返って居た堪れなくなりそうな気がして」
「そういうことか。じゃあもっと飲め。すまんが酒を頼む」
「はいよ」
我に返られてこの場から帰れては困ると、店主に酒を催促すれば冷酒器とお猪口が出された。
「これはカラス天狗の酒ね」
「へぇ、初めて聞いた」
興味津々の水木にお猪口を渡してやり、酒を注ぐ。
「珍しい酒じゃよ。飲んでみい」
「いただきます」
口をつけてすぐに上がった顔はキラキラと嬉しそうな表情を浮かべていて。それがあまりにも無垢で可愛くて。なんでも、いくらでも貢いでやりたくなる。
「うまい!」
「そうじゃろう」
「あ、ほら先生も」
酌をし返してくれるらしい。惚れ切っている女から注いでもらう酒はなんと美味いんだろう。
「先生、今日鬼太郎くんは?」
「おばばに預かってもらっておる」
「それで、彼女誘ってデート?」
店主に尋ねられて、倅の所在を伝えればおちゃらけた様子で先ほどの話を蒸し返してきた。まだ、彼女ではないんじゃ。まだ。そんなことをモジモジ考えていれば、隣に座る愛しい相手はキッパリと店主へ否定の言葉をぶつけていた。
「彼女じゃないです。ただの後輩です」
……まあ、今から頑張れば良いと自分に言い聞かせていたところに追撃がきた。
「それに俺、他に彼氏がいます」
「何!?」
思わず詰め寄ってしまったが、「だからお付き合いはできません」と素っ気なく言われてしまった。大笑いする店主を尻目に、どんな男だと問いただせば、同期のひとりだと言う。受けたショックがあまりに大きく、またボロりと目から勝手に涙が溢れる。それを見た水木は慌てて話題を変えてきた。
「先生、息子さんいたんだ」
ここでボロボロ泣いていても仕方ないので、鼻をすすって涙を止めて倅の話題に集中する。
「うむ。鬼太郎という」
「年、幾つなんだ?」
「この春年長さんになった」
「へえ。写真ないの?」
「あるぞ」
スマホを取り出して見せれば身を乗り出してくる。グッと近くなった距離。ふわりと香った匂いにたまらない気持ちになる。
「先生そっくりだな!かわいい!」
「そうじゃろう。自慢の倅じゃ」
「先生、シングルファザーで五年間ずっと頑張ってきたんだよ」
店主の言葉に、酒を飲む水木の手が止まった。
「そっか、奥さん……」
大学での勤務の時は首から下げている亡き妻との結婚指輪を、服の下から取り出して握りしめる。
「うむ。鬼太郎を産んだすぐ後じゃった。交通事故じゃったんじゃ」
鬼太郎は予定より正期産より三週間早く生まれてしまった子だった。当時GCUに入院している息子に母乳を届けに行った帰り道に妻は事故にあった。その日、自分は一緒に倅の面会に行く予定だったのに、欠員がいたため已む無く出勤となっていたのだ。あの場に一緒にいれたなら彼女を守れたのだろうか。今でもずっと後悔している。それを伝えるとまた目から涙が出てきた。妻を思い出して、妻を想って流す涙はいつもしばらく止まらない。次から次に流れてくるそれを、そっと水木が拭ってくれた。
「これが妻じゃ」
ありし日の愛おしい姿をスマホに表示させれば、水木はそれを見て柔らかな笑みを浮かべた。
「綺麗な人だな」
「うむ。それはいい女じゃったよ」
愛に溢れたひとだった。医学部の一つ上の先輩で、頭が良くて、美人で、芯があって、優しくて。ずっと誰にも馴染めなかった自分に声をかけてくれて、外の世界に繋いでくれたひとだ。
両親はどちらも優秀な外科医で、それ故に不在が多く、子どもの頃は広い家でベビーシッターと二人で過ごすことがほとんどで寂しい思いをした。言われるがままに医大に進んだが両親を連れていってしまう医療の世界なんて本当は大嫌いだった。学校に行けば奇抜な見た目の変わり者と同級生から距離を置かれ、孤独な毎日。
しかし、彼女に出会えて全てが変わった。誰かと寄り添う温もりを、語り合う楽しさを彼女が教えてくれた。見える世界が一転して、暖かく美しいものになった。ずっと隣にいたかった。誰かを救うことを生業としたいのだと目を輝かせて語る彼女に似合う男になるために、彼女が愛し、目指す医療の世界を自分も愛すことにしたのだ。
彼女がいれば幸せで、全てが満たされていたのに。無情にも神は彼女を連れ去ってしまった。忘形見となった息子を残して。
語り終わっても涙は止まらぬし、嗚咽まで出てくる始末だ。水木は相変わらず涙を拭ってくれているし、嗚咽を漏らすたびに背中を摩ってくれている。温かい手だ。
「ありがとうな」
「うん」
よく見ると、水木の目にも涙が浮かんでいた。こうやって近くで見るとこの子の目は青みがかかっているのに気づく。
――綺麗じゃのう――
妻を亡くした日から鬼太郎との時間以外は全てが灰色だった。鬼太郎がいなければ間違いなく腐っていただろう自分にとって、果たすべき役割は倅の良き父でいることだけで、その他のことなんてどうでも良かったのだが。水木を見つけた日からそれが変わった。本当に久しぶりに心が動いて、胸が高鳴る感覚が戻ってきたのだ。
「お主のことも教えておくれ」
「俺の?」
やっと収まってきたところでそう請えば、キョトンとした顔で聞き返してくる。
「彼氏のことか?」
「アホか。そんなもん聞きたいわけないじゃろう」
手を伸ばして、指先でそっと水木の左瞼に触れた。
「この傷跡のこと聞いても良いか」
「……ああ」
少し下を見て考えるような素振りをするので、瞼に触れていた指を外して、その手で水木の手を握り込んだ。「こら!」と怒られたが気にせずそのままにしていれば、振り払われることはなかった。柔らかで温かな感触を堪能しながら、目線で話すよう促す。
「俺も昔交通事故にあったんだ。中学の下校のとき。それで、目と、耳と、胸のあたりに傷が残った」
そう言って髪で隠れていた耳を見せてくれた。確かに一部欠けている。この子の美しさは全く損なわれてないが、十代の女の子が治らぬ傷を負うのは、どれほど辛いことだっただろう。
「そうか。大変じゃったのう」
「……、別に。今思えば運のいい話だったと思う」
「今は、じゃろう。辛かったな」
親指の腹で握った手をさする。事故にあった当時のこの子を慰めるように。
「……まあな。母さんにも散々泣かれたしな。うちは父親が早くに死んでて、母さんの家族は俺だけだったから、本当に悪いことしたよ」
「お主が悪いわけではないではないか」
「それはそうなんだけど。あんなに泣かせたのは最初で最後だったから、いまだになんか罪悪感がある」
ボソボソと呟いた内容にうんうんと頷いてやる。理屈ではないのだ。誰に否定されても、ずっと自分を責める気持ちが消えないのだろう。優しくて、不器用な子だ。繋いでない方の手で頭を撫でれば、子どものような表情でこちらを見てくる。
「お父さん」
「誰がお父さんじゃ」
今のは傷ついた。はちゃめちゃに傷ついた。懐いてくれたら嬉しいが、そういう風に見られたいわけではない。
「ワシはお主の胸についた傷もいつか見せてほしいと思っておるんじゃよ」
「キモ」
「先生、ちょっとそれはアウトですね」
酔いでふわふわとした頭は抗議の代わりに邪な欲求を口走る。途端に水木は汚物でも見るかのような目つきをするし、これまで黙っていた店主からも制止が入った。しかし、これでめげずにいられるのが酒の力の良いところである。いや、そもそもこちらは引かなくて良いはずだ。だって水木は自分に握られている手をそのままにしているし、本当に嫌がってはいないはず。
「触りたい」
「最低。ダメ」
「どうしてもダメかのう」
「……ダメ」
店主が「その辺にしとかないと流石に訴えられますよ」と慌てているが、こちらは酔っ払い。止まらない。止まれない。
「こんなに好きじゃというのに」
「さっきから誠意がないんだよ。下心満載じゃねえか。えっち」
「その『えっち』もう一回言っとくれ。たまらん」
「もうやだ、この助平親父」
呆れたように言いながらもやはり手は握らせてくれている。その手をにぎにぎとしながら、少ししおらしく聞いてみた。
「ワシのこと嫌いになったか?」
「……」
「もう会ってはくれぬか?」
「……今みたいなこと言わないなら、……また会ってやる」
「本当か!?」
仕掛けておいてなんだが、心配になるほどのチョロさではある。自分のものにした暁にはしっかりと見張っていかなければ。
「友達としてだぞ!」
「良い良い。今はそれで良い」
「今はっていうか、ずっとそうだよ!」
ムキになる水木を宥めつつ、約束を固めてしまおうと話を続ける。
「それで?次はいつ会う?」
「流すなよ。また連絡する。先生も仕事あるし、俺も実習中だし、バイトの日もあるし」
「バイト?何をしておるんじゃ」
「家庭教師。中学生の」
「何!?そいつは男か?こんなに助平で可愛い家庭教師がきたら間違いなく」
「気色悪い想像すんな!女の子だよ!」
「ではその家の父親に」
「マジでやめろ。殴るぞ」
その宣言とともに、二の腕のあたりに拳が飛んできた。なんてことない。ほとんどネコパンチ。むしろご褒美である。
「何ニヤニヤしてんだよ」
「なんでもないわい。それより、ワシはお主の連絡先を知らん」
「あ、ああ。ほれ」
差し出されたメッセージアプリのQRコード。ありがたく読み取って、スタンプを送った。
「なんだこのシュールなキャラ」
送ったスタンプを見た水木がケラケラと笑う。
「目玉親父じゃ。可愛いじゃろ。プレゼントしてやる」
「先生、よく見たらアイコンもこれじゃねえか」
「気に入っておるんじゃよ。ほれ、送ったから使え」
「あー、だんだん可愛く見えてきたな。ありがと。使うわ。……あ、名前このままだとまずいか」
「なんでじゃ?」
「俺のスマホの通知に先生の名前が出てきたら、みんなから問い詰められるだろ」
そうだった。ワシらは一応接触禁止の仲だった。
「先生あだ名とかないの?見られてもわからないように変える」
「あだ名のう。あまり同い年の友達がいなかったもんじゃから」
「切ない話持ち出すなよ。……じゃあゲゲ郎にしとこ」
「なんじゃそれは」
「さっきのおじさんに、顔見た瞬間ゲゲって言われてたから」
あやつ発端だと思うと若干気に食わないが、まあ水木がつけてくれた名だ。採用しよう。
「普段から呼んでも良いぞ」
「ゲゲ郎って?」
「ああ」
「先生、ほんと変わってるな」
「ほれ、ゲゲ郎じゃ」
「はいはい。ゲゲ郎」
「なんじゃ、水木」
そこでパーン!と音がなった。店主が思いっきりカウンターを叩いたのである。驚いて店主の方を見れば、ドスの効いた声で「閉店です」と宣言された。はて?もうそんな時間だっただろうか。楽しい時間はあっというまじゃのう。
「では、タクシー二台頼む」
「二台?一台で回ってもらえば良いじゃねえか」
耳を疑った。こやつ本気か?さっきの今でこんな発言よう出るもんじゃ。誘われているのか、本当に危機管理能力がないのか。
「お主なあ、ワシの紳士な気遣いを無駄にしおって。誘ってるんか?連れ込むぞ」
思わず苛立った声が出たが、マラがイライラしているのか、無防備さにイライラしているのか自分でもわからない。しかしこれをすぐに猛省することになった。
「なっ、そういう意味じゃねえけど……、もう少し話したかったんだよ……、っ悪かったな!やっぱり別々で帰る!」
そう言って元々ほろ酔いで赤かった頬を更に赤くし水木は拗ねてみせたのだ。あまりの可愛さに死ぬのではないかと思うほど胸が締め付けられる。心臓を抑えつつ、慌てて訂正した。
「す、すまん!お主がそんな風に思ってくれていたのに、ワシときたら!一緒に帰ろうな!絶対に責任持って送ると約束するからの」
するとまたパーン!!!!と音がなった。店主である。
「もう二台呼んでます。どうぞさっさと『別々』でお帰りください」