誰か書いてそいつとの出会いは警察学校卒業後、最初に付いていた交番だった。彼女は酷く怯えた様子で駆け込んできた。
「あの……！すみません、」
動転した彼女に只事では無いとゆっくり先輩と話を聞けば、最近ストーカー被害と思われるものに遭っていたらしい。警察署に相談に行っても物証も無いためろくに対応されず、遂にはマンションの周辺をうろつき始めたとの事だった。今日は駅から歩いて来るときに後ろにいることに気付きどうにかマンションから離れここへ来たとの事だった。
「被害妄想とかじゃないんです……！交番に向かってる事に途中で気付いたみたいでいなくなったんですけど、本当に、」
「落ち着け。別に疑っちゃいないさ。あのマンションは周りが植栽でプライバシーは守られているが、そういう犯罪者のことも隠しちまうからな、敷地のどっかに待ち伏せしてる可能性だってある。今から俺たちが行って見てくるからアンタはここで待っててくれ」
近くの交番から女性警察官の応援を呼び、先輩とマンション付近の警邏をする。と、挙動不審な男を発見し先輩が声を掛けた。
「ごめんなさい、ちょっとお話いいですか」
その後は予定調和的だ。案の定男はストーカーで、少し問正せば逆上するように自供し、先輩に殴りかかったので一瞬で捕縛された。体の大きな俺より細身の先輩に向かった気持ちは分からんでもないが、この先輩は逮捕術の精度が高いことで有名だ。そして警察官に暴行未遂のため公務執行妨害が適用され、現行犯逮捕となる。ストーカーだけでも逮捕の対象にはなるが、やはり現逮出来る確率が低いため、なかなか取締りしきれていないのが現状だ。交番と署に連絡し、彼女と犯人が遭遇しないように確認をしながら対応した。


から始まる長い付き合いになる2人が書きたかった