○○しないと出られない部屋「…………さま……ろ……」
声が聞こえる。しってるこえだ。耳心地のいい、安心できる声。身体を抱えられてる。体温があったかい。でも揺すられてる……。おきなきゃ……。瞼が……おもたい。うっすらとだけ目が開く。
「おにわかがみえる……」
「ったく、のんきだなあんた……。おはよう、主様」
「ねむ、い……」
「おい寝るな」
ぺちぺちと優しく頬を叩かれる。どうやら夢ではないみたい。オニワカのお部屋にお泊りしてたっけ……?いや寮で寝た気が……。[[rb:隠れ家 > セーフハウス]]だっけ……?うまく目が開かない……。眠……。
「、つめた……」
「おら、気持ちよく寝てるところ悪いが、事態が事態だ。起きてくれ主様」
ひんやりとした何かで優しく顔をぬぐわれる。目元をぬぐわれるとさっぱりして、やっと頭が動き出した。やたら安心できると思ったら、どうやら胡坐をかいたオニワカの腕の中にすっぽり収まっていたようだ。オニワカはこちらを見下ろしながら、かいがいしく濡らしたハンカチで顔を拭いてくれている。
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