■あらすじ
これはあの日、とある女の子が小さな勇気を持って「その一歩」を踏み出したことで始まった__
「真栄田(マエダ)」は性別を偽って高校に通っている一人の平凡な高校生だ。
関東の学校では少しだけ珍しい関西の訛りをこぼす真栄田は入学式直後、同じ訛りで話す「吹蘭(スイラン)」と出会い、友人となった。
友人に性別を偽る行為に引け目を感じつつも、平穏に暮らせている。現状に不満は無かった。
そんな真栄田であったが、とある日の下校時にその全てが一転することとなった。
陰鬱とした過去を持っている「4人」を中心に、
様々な関係性が入り乱れる「ちょっぴり暗い非日常」と
「わちゃっとコメディな日常」を行き来するストーリー。
■キャラクター詳細
・真栄田 行樹 (マエダ コウキ)
※偽名。
誰よりも弱く、誰よりも優しい性別不詳の高校生。
17歳/170㎝/性別不明
大阪出身者でたこ焼きが大好きな普通の高校生…その実は、性別を偽って通っている訳あり高校生である。
入学初日、入学者の列から離れた廊下で過呼吸を起こしてしまった所を吹蘭に声をかけられ、助けられた。
その出会いから吹蘭に恩を感じ、素行が似つかない彼と友人関係を築いている。
普段はお調子者で勉学にも気だるげ、生真面目では無い真栄田だが「目についた困った人はとにかく助けてしまう」。俗にいうお人好し。
その性格ゆえ、好意を寄せられることが多く、真栄田の周りにはいつも誰かが居る。
しかし逆にその優しさにつけ入る人間や、悪い者も多く、トラブルに巻き込まれることも多々である。
真栄田自身がその優しさを「善」であると認めないのには左腕にある「11個の火傷痕」が関係しているそうだ。
その火傷痕の存在を知るのは血縁以外に今のところ、「それをつけた者」と「吹蘭」しか居ない。
好きなもの:漫画、ゲーム、たこ焼き
苦手なもの:辛い食べ物、煙草
・吹蘭 嘩音 (スイラン カオン)
義理堅く身内にのみ優しい、どこか薄暗い高校生。
17歳/180㎝/男
大阪弁で喋り、飄々とした態度が目立つ高校生。
水色に染めた髪と改造された学ランで悪目立ちする不良生徒だが、勉学に長けた秀才という一面を持つ。
積極的に他人と関わらず、友人関係を築くことを避けているが、何を言っても態度を変えない真栄田には心を開いている様子。
素行が悪く、友人に危害を加える者には容赦なく手が出る。態度も冷酷そのものだが、友人の真栄田の前では温厚でよく笑う。
普段はヘラヘラとしていて本心の掴めない食えないヤツという印象が強く、悪目立ちしている事もあって他人に絡まれることが少ない彼であるが、同級の女子に少々人気なのは不意に出る優しさと、真栄田と居るとこぼれる飾り気のない笑顔の影響と思われる。
しかし他人とは一定の距離感を保ち、その長い前髪で隠れる右下を見せる相手は数少ない。
彼は彼が信じたいと思えた者にしか、その傷を共有しないのだ。
好きなもの:バイク、読書、クラッシック音楽鑑賞、お好み焼き
苦手なもの:ペースが崩されること、身内が消えること
・茨木 樟 (イバラキ ショウ)
志高き二つの顔を持つ不良グループのリーダー。
17歳/175㎝/男
表の顔は糸目の紳士的で優しい高校生、裏の顔は冷徹に暴力団をまとめるリーダー。
赤い髪とお調子者な態度で大人気の報道部部長は、裏では多くの不良をたばねる絶対王政の男である。
「横天北高の報道部部長」も「赫星会(カクセイカイ)の会長」も某地域において有名な茨木の側面である。
乱暴者でありながらも女子供に手を上げない、恩は返すといった義理堅い一面もある。
別れた相棒である吹蘭を倣い、冷静にあろうと心がけているが根の性格が短気で細かいことが嫌いな質なため、最終的にはいつも拳に走ってしまう悪いところがある。
逆らってくる部下にも容赦が無く、躾ののちに椅子にするなど素行が悪い。
だが弟分の豊崎には面倒見が良い兄貴肌なところもあり、吹蘭と別れて以来減っていた彼の笑顔は取り戻されつつある。
彼が赫星会を創った訳は自分や自分の護りたい者の為に数の力が欲しかったからだ。
そして彼の夢は大きく、遠いものであるが…相棒との平穏な生活を取り戻すべく止まる訳にはいかないのである。
そういつかまた相棒とこの町で笑うために。
好きなもの:強いやつ、ロック、唐揚げ
苦手なもの:頭を使うこと、ナヨナヨしたやつ
・豊崎 颯一郎 (トヨサキ ソウイチロウ)
女の子が大好きな茨木を支える有能な右腕。
17歳/178㎝/男
明るく軽薄そうな高校生。女の子が大好きで対する振る舞いは実に紳士的で、どこか一線引いているところはあるが、それが彼なりの誠実さである。
頭の回転が速く、そこそこ何でもこなせてしまう器用貧乏。それでいて容姿端麗なこともあり、引く手数多である。
しかし、そんな彼は茨木を尊敬し、常日頃から茨木と行動を共にしている。それはもう人が不思議に思うほどに。
表では「横天北高の報道部」を取りまとめ、後輩たちからも好かれる副部長であり、裏では「赫星会(カクセイカイ)」の構成員たちを見張る茨木の右腕。
茨木以上に優先すべきものを持たない一途で健気な忠臣で右腕だ。
彼はもともと夢もなければ目標もない、根無し草であったがある日茨木に出会ったことで人生が一変したのだ。
彼は茨木を通して見つけた自分なりの在り方を認識し、そして茨木の辿る道を間近で見たいと思い追いかけてきた。
例え「相棒」と呼ばれる立場になれなくても、「右腕」「忠臣」だけは譲れない。
それが今の彼を支える大きな目標であり、気持ちだ。
好きなもの:茨木のお供、赫星会、激辛
苦手なもの:女の子の涙、女の子のおねだり、実家